魔法じゃないけど魔法のように
‥‥‥‥うちの孫は天才かもしれない
魔法の才はもちろん天才なのだが、それ以外にも‥‥
この間、孫が作った アマザケという、甘い飲み物の作り方を尋ねたとき、
カビを微生物と言い、周囲に浮遊しているものが麦などに付着し増えると言った。
この国、いやこの国だけではないだろう、
カビはあくまで生物では無く、自然となる現象というのが常識である。
しかし確かに、同じものでも 異なる色のカビが生えることを考えると、孫の言葉の方がしっくりくる。
更には、コウソというものが甘みを作り出すと言っていた。
それは全く理解できなかった。
だが、事実 孫の言う通りの事が起きている‥‥‥
‥‥‥この子は将来、どんな道を歩むのだろう………
大きすぎる才能は軋轢を生みやすい‥‥
杞憂であって欲しいのだが‥‥‥
◆◆◆◆◆◆◆◆
ザンブザンブザンブザンブ……………
この日は小麦粉と格闘していた。
昨日、夜明けから日暮れまでず~~~~~っと臼を回して作った小麦粉を練って、
今は練った生地を、水の中で揉み洗いしている。
魔法なり魔導書なり手なりを使って……………
ちなみにじいちゃんも、怪訝な顔を浮かべたけど手伝ってくれている。
じいちゃんって案外親バカ……いや祖父バカなのかも。
でもありがと じいちゃん。
洗った生地から溶けだした白いもの、コレが今日の主役。
暫く置いておくと 下に白いものが沈むので、それを残して上澄みを捨てる。
よし ばっちり!デンプンの取り出し成功!
ではではコイツを ごくトロ火に掛けて、ちょっとアチチくらいの温度に。
そして今日の為に作っておいた、大麦麦芽を乾かして砕いておいた物を投入して混ぜて、
後は布でくるんで保温して八時間……………
……………蓋を開けると‥‥うん、いい感じ。
後は、コレを漉した液を煮詰めていけば……………
完成!甘~い麦芽糖!!
いい値段で売れるといいなぁ………………
………………………
「………甘! ちょっとどうしたんよ これ‥‥」
「いや 孫と一緒に作ったんだよ、お前こういうのも買い取りやってるか?」
「まぁ出来るけど………どんくらいあるのよ‥‥」
「えーと確か17キロくらいあっ」
「ちょっっと待った 今そんなに現金ねぇよ」
「次でいいから持ってってくれよ。で、幾らくらいになる?」
「え~とぉ~~~、確か600グラムで……………」
………………高!!!600グラムが小麦40キロとおんなじ値段って!!!!
どんだけ甘いもんに飢えてんだこの国は!!!!
……………次、トイヴォネンさんが来るときに合わせて仕込んで、持って来てもらった瓶やらなんやらに詰めて そのまま持っていってもらう約束を取り付けた後、
去って行く馬車の後ろ姿を見送りながら、あぁ‥‥これで麦袋と並んで寝ないで済む………
そんな嬉しさを胸に 手を大きく振った。
ホンット~~~~に良かった‥‥‥‥
………………ちなみに 残ったグルテンで作ったお麩は、買い取ってくれなかった‥‥
‥‥麩菓子ってどうやって作るんだっけ…………




