カルチャーギャップがぶら下がる
ウチの孫は、時々妙なことをする
今日は 異様な光景がぶら下がっていた‥‥
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大粒納豆は無事成功した。
その年は 来年蒔く分を考えて少量しか作れなかったけれど、
今年はカブの後の畑を広めに使わせてもらって、
ヴォリネンさんのとこから貰ってきた牛糞を熟成させた堆肥を奢り、
見事、予想よりも多めの収量をたたき出すことができた。
その日も、じっくりトロ火でじんわり大豆を茹でていた。
トイヴォネンさんから買ってもらった、暖炉のヘリには乗りらないほどの大きな鍋を、二つカマドに据え
通常サイズの鍋も二つ、こちらは暖炉のヘリに仲良く並んでいた。
ちなみにカマドは、空煎りした大豆を煎じてお茶代わりに、習慣的に飲んでると、
なんか うやむやの内に、一人で使ってもOKになった。
初めてやったときは、怪訝な顔されたなぁ‥‥
キッチンと暖炉の裏を行ったり来たりしながら、薪のご機嫌もコマメに伺い………………
………………よし、大鍋一つ目 茹で上がりっと
じゃあ水を切って‥‥‥
‥‥‥おんもーー!!!
筋力強化の魔法、覚えといてよかったぁ‥‥
さて、ホカホカ湯気を上げるお豆さんを‥‥
潰す
潰す
ひたすら潰す。
スリコギ棒みたいなの片手に、ネッチネッチネッチネッチ
……………量が多いぃ‥‥‥
こんなことなら、マッシャーみたいなもんを用意しとけばよかった‥‥
さて、なんとか一つ目の大鍋 終了。二つ目の大鍋のお豆が半殺しくらいになった頃、ふと気付いた‥‥
…………マズイ、暖炉の方の鍋、茹だり過ぎてるかも‥‥小さな鍋から上がるようにするんだった‥‥‥
とりあえずいい感じの固さになった鍋から、キッチンに持って来て水を切って置いておく。どうか冷め過ぎませんようにと願いつつ……………
……………幸い、ギリギリセーフなくらいでなんとかなった。
さてさて、見事ペースト状になった大豆を、手のひらサイズに まあるく丸めて穴を空け、
この日の為に作っておいた、麦藁を叩いてなった縄を二本撚った、綱っぽいものに通し、
位置決めに7センチほどの細い木の棒を、通した先の、綱の隙間に差し込む。
それを綱の真ん中まで繰り返し、もう反対側は 木の位置を反対に……………
………………ふ~~い終わったぁ‥‥‥じゃあコイツらを‥‥‥
暖炉裏やら、軒先やら、外の物置場やらに、まるで洗濯物みたいにぶら下げていった。
ズラリと、数珠繋ぎになった大豆団子のぶら下がる光景。
じいちゃん なんとも言えない表情してたなぁ………
大鍋の水を切るとき うっかり身体強度アップの魔法を忘れたせいで、翌日キッツイ筋肉痛になったのはご愛嬌
それからおおよそひと月ほど………
暖炉裏のお団子がいい感じになってきた。
色が濃くなり、少しカビの付いているものも幾つかある。
では、綺麗なやつから匂いをクンクン…………
………………ん?あれ?…………
‥‥‥ヤバい‥‥コイツ 納豆になってる……………
えっ!?チョット待って!もしかして全滅??!
慌てて次に、カビの浮いたのの匂いを嗅ぐと、大豆の香りの中に、ほんのりと栗のような香り‥‥
よかったぁ~~ちゃんと麹付いてたぁ~~‥‥‥ホンッット よがったぁ……………
さて、これらを粉にし…………
…………ようと思ったけど、かったい‥‥‥
こりゃ時間掛かるし体力もキツイ。
しゃーない、ホントはすぐにペースト状にできるようにしたかったけど、
今回は荒く砕く程度にして ぬるい塩水と一緒に樽に詰めて、毎日かき混ぜる方法でいきましょ。
今度いい魔法考えとこ‥‥
………………まさか、いい感じのペーストになるまで一ヶ月も掛かるとは思ってもみなかったけど‥‥‥
後は空気に触れないように、大きめの葉っぱを上に敷き詰めてから板を乗せ、おもしをしてノンビリ熟成っと……………
ちなみに、外気に当ててた残りのお団子は さすがに進みが遅く、ひと冬越してからの仕込みになった。
……………秋の足音が聞こえ始めたある日、樽の隙間をクンクンすると‥‥‥
うん、だいぶいい塩梅になった。長かったなあ‥‥‥
一匙掬ってそっと含むと…………
嗚呼‥‥誰か故郷を思わざる‥‥‥
日本人の心に深く刻まれた、懐かしきあの味わい‥‥
馥郁たる香りを湛える、味噌の姿がそこにあった‥‥‥‥
早速カブを適当に切って、味噌を付けて食べてみると、
暖炉裏にぶら下げたものは、ワイルドな香りと複雑で濃厚な味わい、
外に吊したものは、味も香りも比較的スッキリ。
パターン変えて作っといてよかったぁ~~こりゃ色々楽しめそうだ
ちなみに納豆化した大豆団子は 干し肉と一緒にスープにして、キチンと胃袋に収まった。




