それは手抜きか効率か
心の中で安堵のため息を漏らしていると、じいちゃんは卓上に手を置いた。そこには、じいちゃんが書き上げた魔導書であろうか、一枚の紙がある。
いったい何が起こるのかと、好奇心七割おっかなびっくり三割で見ていると、
フワリと
じいちゃんが使っていたカップが浮かび上がった
それは鼻くらいの高さで静止した。
じいちゃんが取っ手を軽く押すと、カップは静かに回りだした。
お~~スゴい。これ演芸に使ったら受けそうだなぁ
小さなおててでパチパチ拍手をすると じいちゃんはフフッと笑いながらカップを卓上に戻し、別の紙を手に立ち上がると 一杯になったゴミ箱の前に移動した。
紙に魔力を通すと、
クシャリ クシャリと
中のゴミが、下に潰れていった。
おお~~これはホントに便利そう
ホームセンターにあったら売れるんじゃないかな。
この世界にホームセンターあるのか知らないけど
鳴り止まぬ拍手と喝采(孫1人の)を背に、再び椅子に座ると、また別の紙に魔力を通す。すると‥‥
パッと
不意に光が現れた。
それもただの光ではなく、白い光源が棒になり 螺旋をえがき卓上を照らしている。
それはまるで、巻かれた蛍光灯が浮いているかのようだった。
いいな~~じいちゃん
新しい文章でドンドン魔導書作れて
「お~~にゃににゃに、こんあにイッパイすぉいニェ~~(お~~何々、こんなにイッパイスゴイねぇ~~)」
「いやぁ 行き詰まったからちょっと息抜きにな‥‥
っと、ふぅ‥魔力を通しっぱなしにしたら そこそこ疲れそうだな‥」
じいちゃんは魔導書から手を外し、光を消してそう言った。
いやはや、もうそんなサクッと 文章のが書けるのね。こりゃこっちも頑張んないと
でも文章の魔導書は要練習だしなぁ 今日は別のアプローチで行こう‥‥
しっかし日本語でもOKならどこまで行けるかなぁ、多分絵は大丈夫だろうなぁ‥‥でも、あんまり絵は自信無いしなぁ‥‥ヘタ的な意味で…………
………………線だけ‥‥ってのは……どうだろう…………
よ~しこの際 どこまで簡素化出来るかやってみよう
限界への挑戦だ
中身はさっきの【熱燗】でいっか
先ずは一本線をピーーーーっと引いてみる。
そこに魔力を通すと‥‥‥
ダ~メだこりゃ、流石に手抜きが過ぎた。
それじゃあ今度は線を蛇行させてみよう。ひなたぼっこしている蛇みたいな感じで‥‥
よし書けた。さて魔力魔力‥‥
…………ま~だダメかぁ~~、んじゃあ次は 波長を短くして‥‥
‥‥ジグザグに書いたほうが早いかな‥‥
ではでは、文字幅くらいのジグザグを下まで引いて、線の長さを稼いで‥‥
ほいでけた。じゃあじゃあ魔力‥‥
‥‥チャパッ
おっし!成功成功
こ~りゃ楽でいいや。書くペース早くなるぞ~~
水音でこちらの成功に気付き、再び覗き込んできたじいちゃんが
「こんなもん魔導書ギルドに見せたら 大騒ぎになりそうだなぁ」
プククと、笑いを堪えながら言ってきた‥‥
‥‥確かにこれは飛ばし過ぎだもんなぁ~‥‥
魔導書解読してる学者さんあたりは、ホントどんな顔をするのやら‥‥
あと魔導書ギルドって初耳だなぁ。さっき言ってた、国と古い文献取り合ってた[なんやら]って、これのことかな?
「いやぁ~~歴史だ伝統だ言ってた ジイ様連中、暴動起こすんじゃないか?」
‥‥なんか嫌な目にでも逢わされたのかな‥‥
しかしまぁ確かに、ありがたみもへったくれも 有ったもんじゃ無いよなぁ、こんなジグザグの線じゃ‥‥
でもまぁ面白いから、実験止める気なんて さらっさらないけど
さて次は何しようかと 頭を切り替えたその時、不意に辺りがググッと暗くなった。
燭台に目をやると、使いかけのロウソクが二本まとめて寿命を迎えていた。残っているのもすっかりちびている。
窓の外は‥‥あぁ、もう真っ暗‥‥
「‥‥寝ようか」
「しょあね‥‥(そだね‥‥)」
モバイル版とパソコン版の違いに戸惑い中です………
愛用の NOKIA6630、[小説家になろう]さんと同い年だもんなぁ…………
……編集が………重いよぉ……………




