裏目裏目の裏の裏
時々しょっぱい気分になったりしたけど 概ね興味津々で話を聞いていると、じいちゃんは不意に窓の方へ目をやり、そして魔導書を手におもむろに立ち上がった。
ん?一体どうしたんだろ?
なんて思った矢先、じいちゃんは机の方へ歩みを進め、上に乗っている燭台に刺さっている使いかけのロウソクに さっきの魔導書を試しがてら火を付けていく
気付けば夕日が木々に隠れていた。
おおぅ いつの間にやらこんなに暗く
「まだやるか~?」
火を付けがてら じいちゃんが、こちらの方に声をかける
確かにいつもならお眠の時間だし、今日はお昼寝もしてないから、正直まあまあ眠い気がしたけど、好奇心は雲の如くに沸き上がってくる。
今はまだ 寝たくないなぁ
「やう~(やる~)」
じいちゃんは返事を聞くと 少し笑いながらこちらに近づき、自分を抱き上げてから右腕に抱え、再び机に近づくと空いた左手で燭台を持ち、そのまま食卓の方へ向かった
卓上に燭台を置いた後、いつもお世話になっている子供用のイスに自分を座らせて、じいちゃんは向かいに座り、いつものお食事どきのポジションになった。
なるほどここなら暗くても一緒に出来る
床やら木箱に燭台置いちゃあ、不安定で危なっかしい‥‥
…………うわぁ‥今さら気ぃ付いたけど、紙やら何やら燃えやすいもんだらけのところで、ボンボン火の魔法使ってたよ‥‥ 火事にならんくて良かったぁ‥‥
さて、じいちゃんが筆記具やら紙やらを持って来てくれたところで、思い付くまま魔導書実験・第二幕が始まった。
先ずはさっきの話で聞いて 無性に気になった事を試すことに
それは[両面書き]
じいちゃんは紙が保たんと言っていたけど、
ダメならダメで どこまでダメなのか、そのダメっぷりを見てみたいという、ちょっとアレな思いが 胸の中を踊っていた。
さて、書き込む魔法は何にしようか。取りあえず火は除外して‥‥
…………まぁ‥‥【kaze】(風)と…………【suna】(砂)あたりでいいか‥‥‥
切れっ端の裏表に書き込んだら、早速【suna】の方から試してみることにした。
っと その前に‥
流し台から洗う前のお皿を 一枚魔法で取って、後片付けがカンタンなようにテーブルに置いた。
そこに降り注ぐように魔導書に力を込めると
サラッ
狙い通り一握りくらいの砂が宙に現れた
‥‥のは良かったのだが、同時に 狙い以外のことも起こった‥‥
ブワッ
【kaze】の方も一緒に発動したのだった‥‥
卓上の紙が 束から何枚か滑り、風をはらんだ砂粒は 当然お皿からは大ハズレ、奥にある燭台をパシパシ叩く。
ロウソクの炎は強めに揺らめき、風をはらんだ燭台は ゆっくりと傾き‥‥
(アァ~~~!!!)
パタリと じいちゃん側にある紙の束に倒れた‥‥
「ウオ!!」
じいちゃんが上着の袖に手を引っ込めて、燃え移った炎をパシパシ叩く……………
……………何とか鎮火した卓上は、風に滑った幾枚かの紙と、一部が焦げた紙の束。黒い燃えカスと、 風に舞った砂粒と、それから焦げから立ち上った きな臭さが広がっていた‥‥‥
‥‥‥火に気を付けようと思った矢先に………
…………ああぁ゛‥‥何っでこう 裏目裏目に‥‥‥
ありがとうモバイル版、そしてさようなら。
軽くて使い易くて、たいへんお世話になりました




