文字が見せてる青写真
何でだろう‥‥言語が変わったからって、どうせ量産のときは丸写しで手間なんか変わらんだろうし………
答えが分からず うんうん唸っていると、勿体を付けてたじいちゃんが やっと口を開いてくれた。
「それはな、説明書きが無くなるだろうからな」
「あ~しょっか~~。
やぁ うぁぃも かけうね(あ~そっか~~。
じゃあ裏にも書けるね)」
なるほど納得。ついでに思いついたことも言ってみた
【phlox】みたいな単語一つの物は、辞典みたいな本の中から抜き出して写していたから どんな仕上がりになるのか分からないけど、
A4くらいの魔導書の方の原本は、ページの裏に‥‥
いや表表紙の側だから、正確には表かな‥‥
まぁ兎に角、反対側にエラく長い説明が書かれてる。
多分、製本する業者辺りで書き込んでるんだろうけど
‥‥そりゃ どんな魔法が書かれてるのか分かんなきゃ、おっかなくって使えんわなぁ‥‥
ローマ字の魔導書なら読めば分かるから そこを丸々空けられて、手間が減った分お手軽価格に
ついでにそこにも書けば、厚みも重さも 約1/2、物理的にもお手軽に
「う~ん どうだろうか‥‥難しいんじゃないか?」
ありゃ、意外な言葉が返ってきた。
「どって?(どうして)」
「いや、紙が保たん」
‥‥‥あ~~~そうだったそうだった‥‥‥
片面だけでもボンボン穴が空いてんのに、裏にも書いたら キャパシティが1/2
そりゃぁキツいか
「おっか~~ あめか~~(そっか~~ ダメか~~)」
「イヤイヤ 発想は悪くないぞ~
高い魔導書の中にはな、手をしっかり当てて魔力を通せる様にな、厚紙の台紙に貼っているのもあるんだ。
そういうもんなら 空いた説明の所に貼ればおんなじ風になるぞ………
‥‥物によっては台紙が半分で済むな‥‥これは相当軽くなるぞ‥‥」
厚紙の台紙かぁ、前世のアルバムみたいな感じかな?
‥‥ん?
「もーにおって?(物によって?)」
「ん? あぁ え~っと、魔導書はな、使ってくと段々紙が傷んだりな、インクが焼けて褪せたりしてダメになっていくんだよ。
だから魔法の種類を絞ってな、それぞれの魔法の初めにだけ説明を貼ってな、そこから同じ魔導書を何枚か続けてるのもあるんだよ。ダメになった分は後で張り替えるんだ。
その類の本は、今でも両面に貼ってあるな」
なるほどねぇ、魔導書は消耗品なのかぁ。
自分、何も知らないで魔導書移してたんだなぁ‥‥
‥‥‥でもアレ?さっきじいちゃん、おんなじのに何回も魔力通してたけど、取り立てて悪くなってる様には見えなかったような‥‥
「しょんな すーあめいあんの?(そんな すぐダメになるの?)」
「………まぁ、そういう場合もあるんだよ‥‥
もう少し大きくなったら教えてやるからな‥‥」
およ? じいちゃんが珍しく言い淀んた。
何だろ、小っちゃい孫に教えたくないこと‥‥
‥‥‥‥あぁ~~‥‥軍用‥‥‥かな?‥‥‥
「ちなみに安いのだと、使い捨てなのもあるぞ。
同じ魔導書だけを束ねて、ダメになったページを破っていくんだよ」
‥‥‥何か鼻紙みたいな使い方だなぁ‥‥
と、そんなアホなことが頭に浮かんでいると‥‥
「ふむ‥‥空いた背面を貼り合わせたら、見た目は両面書きになるな‥‥
………まてよ、容量のある厚手の紙だったら、簡単な魔法なら両面に‥‥
いや、貼り合わせの方が安上がりか‥‥
ん~~でもそれじゃあ厚みは変わらんか‥‥」
お~流石じいちゃん元魔法研究者、専門じゃないとは言え、知的好奇心が半端じゃないなぁ
「おぉ スマン。つい夢中んなっとった。」
あ、いやそんな 気にしなくていいのに‥‥
「そうだ 俺は作った事ないがな、昔からの形だと、羊や何かの皮紙に書いたもんもあるな。
こいつは先にインクの方がダメになるらしいから、両面に書いても持つかも知れんな。
‥‥まあ羊皮紙なんかは今は高いからな‥‥作っても売れないか、殆ど飾りもんになるのが関の山だろうがなぁ‥‥」
‥うん 前世でも高級品って、こう言う扱いだったよね‥‥
乗らない高級車、箪笥の肥やしのブランドコート、取り付けもしないカメラレンズ、覗かない望遠鏡、あぁ etc. etc.……
あんまり使わないとかえって傷んだり………




