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87・診察。

 イケメンな神官はリョーさんを診察した。

エリクサーで若返ってしまったと言ったら興味をもったようだ。

コイツは薬神の加護を持っている。

薬が引き起こしたことへの興味は人一倍なんだね。


エリクサーは魔力と体力をフル回復させる。

そして「状態異常」も完全回復させるんだ。

ただ「若返る」なんて効果は聞いたことが無かった。


イケメンによるとリョーさんの「老化」は普通の老化じゃなく

「状態異常」だったんだろうと言う。

ココに50年位居たなら当然の老化だと思ったんだけど

この世界の人の五十年とオレ達の世界の人の五十年は違うんだと。


世界が違うと細かなスペックの差が同じ人族でもあるらしい。


五十年いても半分くらいだったんじゃあないかと……

あ! ゲーム機! アレって五十年も前じゃあなかったよ! 

どうして老化が早まったのかは分からない。

でもココの人達と同じ速さで歳をとってしまったらしい。


ということはココの人の老化を食い止めたり若返らせるのは

エリクサーでも無理ってことだ。

う~ん、ダートの神殿長セイルさんには効かないんだね。

なんだかお気の毒な気もするんだけど。


オレ達の世界との時間の誤差みたいなのもあるようで神さまはそういう

細かなところを異世界間の転移では調整をして下さったりするらしい。

なんだかヤヤコシイ話だね。


フロルの街に帰って来た。

帰って来たと感じるってことはやっぱりココがオレのコノ世界での起点で

ホームだったってことだろうか。


ギルドに行って仲間が迎えに来たことを知り合い達に告げた。

ギルドマスターや受付のお姉さんにお礼とお別れを言う。

お姉さんには親切にしてもらったもんね。


預けてある金色イノシシの残りのお金はお札の売り上げと一緒に

孤児院に寄附してもらうことにした。

ココのお金は持って帰っても使えないから。


皆、良かったと言いながらお別れを残念がってくれた。

また来られたら必ず寄ります、と言ったら納得してくれた。


起点がココでよかったと思う。

特別扱いもなかったけれど差別扱いもされなかった。

自然に普通に扱ってもらえたと思う。

「普通」って大事だね。


ナオミさんのところが最後になった。

オレの魔道具の師匠。

若返ることができるって言ったらなんていうだろう。

若さにこだわりを持ってるようには見えなかったけど……


女性は死ぬまで女性だからね。

 やっぱりフロルの街ってクローバー君にはホームだったんだね。

領都や王都に行ってもココに来ると帰って来たと思わせる街。

最初の街だってこともあるんでしょうが彼はこの街が気に入って

いたみたいですね。


師匠なナオミさんも気になりますがリョーさんも気になります。

帰る気ってあるんですかねぇ。

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