75・中央遺跡。
魔法の矢で造ってしまった道を土魔法で舗装しながら『森』を進んだ。
所々に鳴子のベルを設置しながら。
先頭は勇者のトールさん、オレ、魔族のロトさん。
次が魔術師のヨビさん、リョーさん、神官のキールさん。
後方の警戒にアランさんと騎士のガビーさん。
光魔法だと結構効率が悪くなるオレの魔法だけどソレ以外なら桁外れなくらい
魔力量があるのでドンと来い! だね。
『森』は全体の形がちょうど瓢箪のようになっていて
真ん中の遺跡が『森』を抜けるなら最短距離になるんだそうだ。
野営をしながら進んだ。
一応結界も張ったけどなぜか魔獣は襲って来なかった。
索敵で探っては居たんだよ。
なぜか遠巻きにしてる感じだった。
人は連中には魔素の塊に見えてるって聞いたんだけど……
中央遺跡に着いたけど驚いたね。
周りは『森』でココは遺跡なのでもっと植物に浸食されて
いるのかと思ったのに一本の草すら生えていない。
建物はほとんど瓦礫になってるのに。
なにか呪術が掛かっているようだと魔術師のヨビさん。
「呪術はたいしてできないんだが友達に呪術師がいてね。
呪術のかかってるモノは大体分かるんだよ。
まあ、こんな遺跡になっても効果が残ってるってのはスゴイよな。
でも、魔物はともかく魔獣には効かないみたいだゾ」
指示した先にトロールの群れが居た。
全部で六体。
魔法の弓をアイテムボックスから取り出して魔力の矢を放った。
五頭は吹き飛んだが一頭が逃げて行った。
ココは『森』だ。
追いかけたらかえって危険だとリョーさんが言うので放置することになった。
勇者はあきれていた。
「君が戦争の時にいたら人の国側が一方的に勝ててたな。
魔族でもアレには対抗できないと思うが?」
「同感ですね。真っ先に暗殺したくなったと思いますよ。
でもココでは特大の戦力ですからね。
暗殺の心配はしなくていいよ、クローバー君」
魔族なロトさんは笑顔が特上だと思うんですけどなんだかコワイのは
気のせい……かなぁ。
遺跡の真ん中は神殿めいた場所だった。
以前リョーさんが来た時にはソコがダンジョンの入り口になっていたそうだ。
「地下型でどこまで階層があるかは分からない。
前回は地下一階のみを探索した。
人員も少なかったしね。
でも、下の階への入り口は複数確認したよ。
調査の目的が『森』を抜けるルートができるかどうかだったから
ダンジョンは諦めたんだ」
「前回?!」
ロトさんはココに来たのは自分達魔族が最初だと思っていたみたいだった。
「あー、言ってなかったね。
私は若く見えてるが実は老人なんだよ。
病気の治療に使った薬の副作用みたいなものでね。
いつまでこの状態がキープできるかは分からないんだ。
もし足手まといになる事態が起きたら放置してイイよ。
もうベッドから動けないくらいまで生きたからね。
前回も調査だったんだ。
先王はココを簡単に抜けられるようなら魔族の国に対して
有利になるのではないかと思われたようだ。
だがココは『森』だからね。
軍隊を通すのは無理って結論だったんだよ」
「軍隊ではありませんでしたが五人パーティ五組が全滅しました。
実戦経験も豊富なはずの者達でしたが……
魔王国からココまでたどり着いたのは二組だけでした」
「私のパーティもやはり五人だった。
なんとか無事に帰れたのは彼等のおかげだね。
今回みたいな〔道〕も無かったしね」
魔獣はなぜか襲って来なかった。
ココまで来てトロールが来ただけだ。
敵が居るならそろそろオーガの群れでも出てきそうな気がした。
でもそんなことは考えるだけでフラグだったのかも。
ゾロゾロと出てきたオーガに歓迎されることになったんだ。
あー、でてきましたね、オーガが。
まあ、クローバー君の魔力の矢なら大丈夫でしょうけど。
敵の正体が分かりませんねぇ。
どうしますかね〔敵〕。
どうせロクでもないヤツなんでしょうけどね。
ストックが切れました。
〔敵〕よりコワイ事態です。
家族が入院しちゃったんです。
糖尿病はコワイ病気です。
皆さまもお気を付けください。




