74・『森』へ
勇者はトールさんと言うそうだ。
魔法使いはヨビさんで神官さんはキールさん。
戦士さんの名前も聞いたけど……ま、まあいいよね……
ココには居ない人だもん。
『森』を探索したいという勇者トールさんの希望だったけどみんな反対した。
だって危なすぎるからねぇ。
でも彼は引き下がらなかった。
「鳴子のベル……だったよね。アレを設置しながら真ん中の
遺跡まで行くってことでどうだろう?
たとえ二十一体が一度に出て来るなんてことがあってもコレでも勇者だからね。
君達を逃がすくらいはできると思う」
街の近くの『森』の周辺には鳴子のベルが設置してある。
トロールが壊したものもあるけどね。
『森』の中に設置できるのはイイことには違いないんだけど。
リョーさんは考え込んでいたけど結局要請を受け入れた。
なにか対策をしたいとは思っていたようだ。
勇者だしね、相手は。
でも全員で行くわけにはいかない。
実力的なことも有るけど全員を庇うなんていくら勇者でも無理だと思う。
なのでダンさん兄弟と兵士のソーヤさんには残ってもらうことになった。
この街で留守番ということだね。
領都のガイ様への連絡係をしてもらうことになった。
騎士のガビーさんと元王子のアランさんは付いてくると言う。
ガビーさんは任務だけどアランさんは……
「気にしなくていいよ。元の世界で似たようなオーガにね……
会ったことがあるんだよ。
だがアレはココのオーガとは少し違う代物だったんだ。
死にかけたら元に戻ってたしね。
同じようで違うというのがどういうことなのか知りたいんだよ」
魔族さんはロトさんと言う名前だった。
アランさんの話を聞いて驚いていた。
「アレは元に戻れるモノだったのか?」
「多分ダメだと思う。
元の世界で会ったオーガは魔術師が一時的に変身させていたモノで
死にかけたら元に戻っていた。
異世界から召喚された勇者が元に戻してたんだ。
クローバー君がアレを知っててしかも無意識とはいえ有無を言わさず
『消去』したってのは戻せないってことだろう。
気の毒だとは思うんだが……」
ロトさんは複雑な顔をしていた。
仲間を倒すしか道が無いのだから。
オーガになっていたとしても……
結局、勇者パーティの三人、リョーさん、騎士のガビーさん
魔族のロトさん、アランさん、そーしてオレの八人で行くことになった。
ちょっと多いかねぇ……
でも五人組で『森』に入った魔族たちはほとんど全滅した。
適正な人数なんて分かる訳もない。
でも、リョーさんは遺跡まで行ったことのある経験者だ。
経験が役に立ちますように……
森の外にオーガたちを誘き寄せられれば森の中よりは
戦い易そうな気もしますけどね。
なんとかみんなでお出かけすることになったようです。
ピクニックだったら楽しいんでしょうけどね。




