73・強引な勇者。
勇者と仲間が二人。
空を風魔法で飛んできた。
王都に滞在していた勇者は宰相にオレがガイ様の部下さんと
纏めた召喚勇者についての書類を見せられて興味をもったそうだ。
なのでサトー領を訪ねてみる気になったと。
そして魔獣、トロールとオーガの出現を報告されたガイ様から
退治を依頼されてきたという。
す、すいません……片付けちゃいました。
でもまだあと二十一体いる可能性があるんだよね。
勇者はリョーさんより少しレベルが高かった。
やっぱり勇者なんだね。
仲間は神官さんと魔法使いさん。
戦士は帰省中だとかで別行動中だという。
まあ、戦争は終わってるからね。
リョーさんは状況を説明した。
オレの事は微妙にボカシてくれている。
記憶がほとんど無いけれど勇者なようだと。
……なんかやけにオレとリョーさんに興味があるみたいだね。
異世界から来た人じゃあないよね……この勇者さん。
コノ世界の人で戦争を引き分け状態に持ち込んだんだそうだ。
スゴイね。
あ! ココには『森』から来た魔族さんがいるんだった。
戦争の敵側だった……(汗。)
でも、魔族さんはこだわってないみたいだった。
普通に挨拶して、そうして詫びの言葉をのべた。
「勇者にこんな所でお目にかかるとは思わなかったですよ。
今回のオーガはどーやら私の仲間が〔素材〕にされたようだ。
全員で二十五人居たから私とココで弓の彼にヤラレた三体を
除いたらあと二十一体いるかもしれない。
魔王国には報告を入れさせてもらったがコチラに迷惑を掛けたことになったのは
お詫びするしかない。
対処に協力願いたい。ずうずうしいとは思うのだが……」
「今回のオーガやトロールが魔王国の意思で造られたモノではないと分かって
まあちょっと安心しましたよ。
でないとまた戦争に逆戻りですからね。
造られたモノだということは造ったヤツが居るってことです。
なんとかこれ以上造られないようにしたいですね。
勿論協力させてもらいますよ」
せっかく終わった戦争をもう一度始めようなんて考えるヤツって居るのかね?
まあ、魔王国がオーガを造ったんじゃあなさそうだからソレが
分かっただけでも良かったかも。
勇者さんと魔族さんは鳴子のベルを見てなんだか感心したみたいだった。
でもコレは『森』の中まで設置できないよね。
警報装置としては有効なのは証明できたんだけどね。
オレが無意識状態で魔力の矢で造ってしまった<道>。
ソレは『森』の中央の遺跡の辺りまで届いてしまったようだ。
なので探索をしたいと勇者は言い出した。
オーガが二十一体も居る可能性があるのに。
「あくまでも探索だよ。『森』の様子も知りたいしね。
二十一体が全部そろって来るとはちょっと考え難い。
君が付いて来てくれたら多分安全だと思うよ。
三体も一度に殲滅できる戦力だそーだからね」
なんだか目は笑ってないと思えるコワイ笑顔をされても困るんですけど。
勇者ってこんな強引な人なんだと納得しちゃいましたぁ。
あー、ココの『森』って怖いんだけどねぇ。
無意識でないとアノ威力は出ないなんてことは……
無いといいなあ……
さて上手くオーガ退治といきますかどうか。
ガンバレ~~みんなでね。




