72・二十一体?。
魔獣があふれてきたのは人の国だけではなかったそうだ。
魔族の国でも『森』を疑って調査隊を出したんだという。
でも『森』は危険すぎる場所だ。
なので5人のパーティが幾つか連絡をとりながら中央の遺跡を
目指したんだという。
「ソコまでたどり着けたのは二組だけだった。
ソコで一組全滅したんだ。アノ〔オーガ〕が出たんだよ。
さすがに敵わないので逃げたんだが散りじりになってね。
もうダメだと思ったところで『森』を抜けたんだ。
助けてくれて感謝する。
あれほどの攻撃は見たことが無いんだが君の魔法なのかな?」
まだ若そうだけど偉そうな感じの魔族さんだった。
コチラの事情を説明しながら魔法と言うよりは魔力の矢の
攻撃だと説明してみた。
「その存在してはイケナイオーガっていうのは一体何かな?
実は君が倒したアノ〔オーガ〕だが首が残っていたんだ。
ソレが……遺跡にたどり着く前に連絡が途切れた仲間のものだったんだよ。
あ! 君を責めるつもりは無い。
アレに私は殺されかけたんだしね。
なぜ仲間がオーガになっていたのかが知りたいんだ」
聞かれてもオレには答えられなかった。
でもリョーさんが答えてくれた。
「この子は記憶がどうやら封印されてるようでね。
催眠の魔法でも聞き出せたのは断片のようなものなんだが
アレは禁忌の技で造られたモノらしい。
魂までも魔物に変質してしまうようで死ねば姿だけは元に戻せるようなんだが
生きたままだと今の所無理なようだ。
どうもこの子の仲間は研究をしてるようなんだが……」
無意識状態のオレが有無を言わさず〔消去〕しようとした理由は
その辺りなんだろうな。
彼が襲われていたんだし。
造られたオーガだってことは造ったヤツが居るってことだ。
中央にあるというダンジョンになってる遺跡はココからだと真東に当たる。
オレの矢は〔道〕を造ってしまった。
『森』から他のオーガが来ないと誰が言えるだろう。
なにしろオーガの〔素材〕になる魔族が供給されてしまっているのだから。
「五人のパーティで五組居たんだ。
私の他のメンバーが全員アノ〔オーガ〕になったとすると
あと二十一体居る可能性がある。
魔王国に行くかもしれない。
国に連絡を入れさせてもらう訳にはいかないだろうか?」
リョーさんは領主のガイ様に連絡を入れた。
王都にも報告を入れて魔族の彼が魔王国に報告を入れることを許可した。
検閲も入れたみたいだった。
オーガとトロールは倒したので住民達にはフロルに避難してもらうことになった。
護衛役はモチロンロブさん達にお願いした。
オレ達はココに残ることにした。
ドラム缶サイズのマジックバッグを幾つも渡してココの金目のモノを
ロブさんに運んでもらうことにした。
オレはココで他のオーガを警戒しないとイケナイからね。
そうして彼らがフロルに出発した後で〔お客〕が来たんだ。
オーガやトロルじゃあなく……
〔勇者〕だった。
う~ん、魔族の次は勇者まで来ちゃったか……
ココで喧嘩なんか始めないよね?
まあ、当面の敵はトロールやオーガですし戦争は終わってるんだもんね。
仲良く共同戦線……と行きますかね?




