71・弓。
オレが居たのは城壁の門の側に造った仮小屋だった。
まあ、休憩所のつもりで造っといたヤツだ。
リョーさんとアランさんが側に居た。
「ああ……目が覚めたかね? 大丈夫かい?
首輪はすぐに外すよ。まあ、嵌めた理由も教える。
どこまで覚えてるか分かるかね?」
リョーさんの声は優しい。
でも、なんだか有無を言わせない感じがした。
え~と、『森』から人とオーガが出てきた所、だよね。
ソコで記憶がプッツリと切れている。
「うん……そうか……
君はその後アイテムボックスから弓を出したんだ。
ボロい! と思ったんだが君が魔力をどんどん込めたら光り出した。
発射したらオーガと『森』の一部が吹っ飛んだ。
矢は魔力でできてるようだったし、弦も魔力だったようで
君がアラン君の魔法で眠らされたら元のボロイ弓だけになったんだよ。
なにか思い出せないかね?」
何かと言われても……
あ! 弓ってどれでしょう?
ホントにボロい弓にしか見えなかった。
装飾の類も一切ないシンプルなごく普通に見える弓。
魔力を込めてみた。
込める魔力が多くなるにしたがって徐々に光だした。
危ない気がして止めたら収まって行った。
「なかなかのマジックアイテムだね。
君も今まで使ってなかったということはコレについても
全部忘れてたってことだと思う。
あー、首輪を取っておこう。
アラン君が君が暴走してるのを止めようと催眠の魔法を掛けたんだ。
私が疑問を口にしたら眠ってるハズの君が答えたんだよ。
なので尋問というか質問を幾つかしたんだ。
答えないモノもあったんでその首輪を着けてみたんだよ。
それでもダメなものもあったがね」
記憶は消えてるわけじゃあないみたいですね。
消えたように見えてるだけで奥にしまってあるとか封印をされてるって
感じなのかも。
尋問で何かわかりましたか?
「うん、あのオーガが造られた危険なモノだということだ。
君はなぜか見ただけでソレが分かったようだ。
そうして「消去」しようとした。
何度もその弓で魔法の矢を放っていたんだよ。
『森』の遥か奥まで道ができてしまった。
アレは冗談じゃあなく的にはなりたくないね」
他になにか分かったことはありますか?
オレがアブナイ奴だってことの他に……
「君のプロフィールがかなり分かったよ。
あとは師匠とか友人とかね。
詳しいことは後で教えよう。
あの時『森』からオーガに追われて出てきた人がいただろう。
あの彼が君に礼を言いたいんだそうだ。
連れて来てもいいかね?」
了承した。
そして入って来た彼を見て驚いた。
……魔族だったんだ……
本人は意識が無いのに高威力の攻撃をしまくりだなんて
危なすぎだよねぇ。
アランさんナイス!
クローバー君はちょうど催眠術にかかったのと同じ状態なので
無理のない質問なら答えちゃうんでしょうね。
何かわかるといいなぁ。
やっと魔族がでてきました。
ココで何をしてるのかなぁ?
魔王国は『森』の向こうのはずなんだけど。




