64・量産。
鳴子のベルを夜のうちに幾つも造った。
リョーさんは街のお役人に許可を取ってソレを設置してみる事にしたと言う。
街の周囲にね。
この鳴子のベルは魔力に反応して鳴るモノなので鳴り出す魔力量の設定を
人間程度から魔獣程度に変更した。
今は戦争はしていないので敵は人でも魔族でもなく魔獣だ。
簡易の通信機も付けて置いて鳴り出したら街に分かるようにしてみたんだ。
魔獣が出たのが分かるのは早ければ早いほどイイからね。
隠密とか隠蔽のようなスキルを持ってる魔獣が出たこともあるそうなので
全部を感知できるわけじゃあないけど見張りの代わりにはなると思う。
設置は電信柱のように立てた石柱の上。
普通の魔物じゃあ反応しないから魔獣専用だね。
ちゃんと魔獣で反応するかは来てみないと分からない。
まあ、コレもお試しだね。
「それほど費用も掛からないようだしコレも土魔法使いの仕事にできそうだね。
『森』に沿って設置して行ければ魔獣の出現を早めに感知できると思うんだよ。
ロブ君に今まで出た所を書き出してもらったからその辺りから
コレを付けてみようと思うんだけどね。」
あのー、ソレってやっぱりオレがやるんですかぁ?
「ベルくらいなら神殿の連中とかでもできるだろう。
設置はやっぱり君に協力してほしいな」
でもコノ鳴子のベル……ちゃんと反応しますかね?
「そうだねぇ。
都合よく魔獣が出てくれればイイんだけどそこまでは予想はできないよなぁ。
ロブ君の出現記録も規則性は感じられないし」
まあ、費用はベルと簡易通信機で石柱はオレの魔力だから人件費くらいだよね。
お試ししたくなるか。
街の周囲の分の設置はできたので森沿いに設置するのは明日ということになった。
宿に戻ってからナオミさんの宿題をフロルの街に届けてもらえばイイと
思い付いた。
なので、商業ギルドにでかけたんだ。
ソコに居たのは以前リザードに襲われて馬車を壊されていた商人さんだった。
フロルに戻るそうなので荷物の配達をお願いした。
「君には借りもあるからね。モノは何なんだい?」
届け先は魔道具の師匠の所でマジックバックその他の試作品で練習の成果を
見てもらうんだと教えた。
あー……目がコワイです。
マジックバッグ……そんなに珍しいものなんですかぁ?
オレはまだ下手でリュックぐらいの容量のはずがドラム缶位
になってしまうといったら目をむいた。
ということでお譲りすることに……
荷物の配送はタダでイイそうでーす。
マジックバッグの中にみんな入ったから嵩張らないけどね。
そのうえバッグの料金まで払っていただきましたぁ。
いいのかねぇ……ソレって失敗作みたいなものなのに。
「大抵はリュックくらいの容量のものなんだよ。
それを幾つも使えるならってみんな思ってるんだ。
そんな大容量なのってもうお宝級なんだ。
昔話に出て来るくらいだしね」
結局、商業ギルドのギルドマスターまで出て来て量産してほしいと
頼まれたけどオレってリョーさんに雇われてるから量産なんかしてられない。
リョーさんの許可が出たらということで納得してもらった。
な、なんだか仕事がどんどん増えてく気がするんですけど。
護衛の仕事だけなら楽なのになぁ、と嘆きのクローバー君なのでした。
魔法のコントロールはできるのに魔法具作成だとできないなんてねぇ。
やっぱりブキッチョさんなんだね。
マジックバッグって売ってたら絶対欲しいですよねぇ。
嵩張りもしないし重くもないとなったらもう流通革命です。
商業ギルドのマスターでなくても目の色が変わっちゃうね。
あ! 軍事用なんて用途もあるかもしれない……
な、なんかアブナイ方向に行きかけてるかも~~。




