62・領主の親族。
ロブさんの所に回ったらみんなで訓練中だった。
暫く見ていたリョーさんは我慢ができなくなったようで腕試しを申し込んでいた。
まあ、御領主さまの親戚ってことになってるからねぇ。
気の毒に……断れるはずもない。
しかも中身は実績で貴族に取り立てられたほどの実力者だ。
結果は火を見るより明らか……ってやつだね。
もちろん回復魔法は大サービスさせてもらいましたぁ。
「先々代の時に貴族になった方の一族ならソレナリに強いだろう
とは思ったけどスゲーな。
オレこの辺りじゃあ結構強いと思ってたけど上には上がいるってのが
良く分かったよ。
身体強化を使ってもこのザマだもんなぁ」
あー、ホントはその先々代さまなんだよね。
でもコレは言えない、言えない。
「そう悲観したものでもないよ。
君は私の知る限りでは上位者に入ってる。
ココで魔獣の相手をしてることも影響してると思う。
身体強化もかなり上手いと思うよ。
会得してからそれほど経っていないという話だったがもう上級者だろう。
かなり頑張ってるんだね」
「お褒めにあずかり恐縮ですね。
領主さまにはご親戚が少ないと聞いてましたがあなたのような方がおられるなら
一安心ですよ。
ついでといってはなんですが領主さまには結婚とかの話って無いんですか?
あの方に何か有ったらこの領地ってどうなるのかってみんな
心配してるんですよ」
「そうだよねぇ。そのあたりは親戚一同の悩みのタネだね。
婚約者を病気で亡くしてから大分たつからそろそろイイと周りもみんな
思ってるんだよ。
貴族としてはいまだに新入りみたいなものなんだ。
先日の領主の姪の結婚でもなかなか話が進まなかった。
家同志のつながりとなると一族郎党には文句をつけるヤツは必ず居るものだしね。
領主は跡取りをつくるのが義務みたいなところがあるから
ちゃんと分かってると思う。
できたら恋愛とまではいかなくても気の合う相手が見つかってほしいと
願ってるんだ。
まあ、すまんが気長に待ってやってほしいね」
「いいお話がくるといいですよね」
そう言うロブさんはどうなんですか?
モテそうに見えますけど?
「オレがモテるなんてドコ見て言ってんだよ!?
オレに愛想がイイのは兵舎の食堂のオバちゃんくらいだぜ!
カワイイねぇちゃんがこんなゴツイだけのヤツに寄ってなんか来るもんか!」
あー、なるほど。
自分で決めつけちゃってちゃあ見えるものも見えないよなぁ。
実のところロブさんの評判はかなり良い。
オバちゃんだけじゃあなくね。
魔獣を退治できる実力もあるしココの住人にも商人さん達にも
高圧的な態度は取らないしね。
まあ、騎士なんでちょっと気軽に声を掛けにくいのかも。
兵士さん達もちゃんとロブさんのファンは居るんだと言ってま~す。
う~ん、モテ男に変身まであと一歩なのかもねぇ~。
リョーさんにはロブさんの印象はかなり良かったようだ。
領主さまへの次の報告にいろいろ加味してくれることになったみたいだね。
宿には領主さまからの荷物が届いていた。
回復薬の再現品が完成したので巡回コースのこの街へと送ってくれたんだそうだ。
図書館のオクタさんからの手紙も付いていた。
オリジナルのモノほどの効果にはまだ到達できていないが
7割から8割くらいの効果にはできたと。
量産体制はなんとかできたので原料が揃い次第量産をすることになったそうだ。
回復魔法のできる神官はまだ足りない。
ココのものでも回復薬も潤沢とは言えない。
効果の高い回復薬が量産できるというのは朗報だろう。
リョーさんはロブさん達に使わせて効果を確かめたいと言う。
ハハハ、モルモット……おっと臨床モニターだね。
一番必要なのはあの人達だしね。
明日は神殿の子供達と遊ぶ約束がある。
お供はガビーさんとソーヤさんにお任せしよう。
ノンビリ遊ぼうと思ってるクローバー君でしたがそう上手くはいきませんでした。
神殿でまたまた先生役をすることになっちゃったんです。
もう護衛とかより先生になったほうが楽なんじゃあないかなあ。
後継者がいるというのは安定につながりますからね。
領主に跡継ぎがいないというのはやっぱり問題でしょうね。
まあ、好きな相手と結婚するというのが理想ですが……
ロブさんは女の子が嫌いな訳じゃあないみたいですね。
自分は女の子の対象範囲外だと思い込んでるみたいです。
女の子限定でコミュショーなんですかねぇ。




