61・診断。
一緒に旅やら魔物退治なんかをした仲間だったそうだ。
ナオミさんと同じだね。
「神官のくせに生臭なヤツで手こずらされたんだ。
よく神殿長なんかになれたもんだよ」
「まあ実績はお前らと一緒だったオカゲでてんこ盛りだったからな。
あとは猫の冠り方をお前を見て見習っただけさ。
女の子にオレの方がモテたからっていまだに文句を言うなんて
執念深いヤツだなぁ。
あーんな美人の彼女を連れてたら女の子が寄ってくるわけねーだろ!」
ま、まあ、大体どういう関係なのか理解できましたよ。
一頻り二人でしゃべりまくったというか罵り合ったというか
会話がはずんだあとでオレの事を診てもらった。
なんだか難しい顔をしていた。
「君の中には確かに〔何か〕がある。
吉凶どちらともつかない。というか付けられないな。
〔何か〕から両方を感じるからね。
イメージとして凶を吉が覆っているというか抑えている感じなんだよ。
君は光魔法とか聖属性の魔法を使えるかね?」
聖属性は見たことがあるくらいでやってみたことは無いです。
光魔法はできますが効率が悪いようなのであまり向いてない気がします。
以前この辺りに出た骨ドラゴンに掛けましたが二発で魔力が底をつきました。
安全な宿に泊まる時だけ光属性の浄化の魔法をかけています。
やっぱり結構魔力を喰われます。
でもなんだか体が軽くなる感覚はあるんですが……
「魔獣に二発とはね……
ココの神官達では魔獣に掛けるような光魔法は一発が限度だ。
二発も打てるってのは相当な高位者なんだよ。
ちょっと浄化の魔法を掛けてみてくれないかね」
ココは宿ではないけどまあ、安全なところだからね。
ええ、、掛けてみましたよ。
「君の〔何か〕は光魔法を阻害しているようだ。
それほどの魔力を使えばもっと周りにも余波が来ると思う。
だがそれでも〔何か〕に影響を与えているのは間違いない。
凶の部分を抑えているのは多分君の光魔法だろう。
小まめに浄化魔法を使ってるのはイイことだと思うよ。
まあ、今の所それで全部解決するとは言って上げられない。
凶がどういうモノなのか私では見えないからね」
「分かるヤツに心当たりはないか?」
「本山の枢機卿以上の方ならあるいは分かるかもしれない。
だが本山はこの国じゃあないからなぁ。
そこまで行く時間と金と手間が問題だな」
時々過去の記憶の断片がポコッと言う感じで浮かんできたりしています。
今すぐよその国には行けませんし凶が光魔法で抑えておけるモノなら
焦らなくてもとも思います。
「君がかなりの実力者なのは分かった。
できたらしばらくでもコノ領地コノ国にいてほしいね。
魔獣の出没が活発になってるからね。
人員の増員をお願いしてるけれどそれがどうなるかも分からないから
実力者は居てくれるだけでも心強いんだ」
オレそんなに強くないですよ。
リョーさんにコテンパンにされてますし、ビビリだって
自覚してるくらいなんです。
「慎重な性格ってのは悪いことじゃあないよ。
むやみに突っ走ってしまわれるよりね。
コイツはかなりそんなところのあるヤツだったから奥さんは苦労してたんだよ。
ナオミさんが何度カミナリを落としたことか……」
あ! オレ、ナオミさんの弟子にしてもらってます。
魔道具造りの。
ブキッチョなんで叱られてばかりですけど。
ココに居るって分かったら山のように「宿題」を送ってきて頭が痛いです。
「ハハハ……性格は変わってないんだな。
何処にいるのかね?
ああ、フロルか……そう言えば旦那はアソコの出身だったな」
素敵なボロ屋に住んでますよ。
モチロン偽装してるんですけど。
一人暮らしでも不自由はされてないみたいです。
そうしてナオミさんや昔の話を伺って退出した。
アイテムボックスから回復薬と魔力の回復薬をいくつか取り出して
差し上げることにした。
帰ろうとしたら子供たちに見つかってしまった。
でも今日はオレだけじゃあないので明日またくることを約束させられて
ロブさんの所に回った。
でもちょっと後悔したね。
リョーさんって戦闘職だったんだって納得させられちゃったんだよ。
まあ、手遅れだったんだけどね。
さすがに神殿長さまは他の神官さんたちよりも何かについて分かる方でしたね。
今すぐ治すことはできなくてもどーいうものか分かっただけでも
安心できたことでしょう。
病気でも何の病気なのか分かると患者さんは気持ちが落ち着くそうです。
訳が分からなくて不安な状態というのは体にも響くんだとか。
このまま浄化の魔法で対症療法を続けるみたいですね。
〔何か〕って一体なんなんですかね?。




