58・笑う神官。
神殿に行ったらさっそく子供達に見つかってしまった。
孤児院の子供達と講習会の子供達が一緒に遊んでいた。
魔法が上達したからと我先に実演し始めたので大騒ぎになってしまった。
あー、ゴメンナサイ……
結局子供達と一緒にシスターと神官さん達に叱られちゃいましたぁ。
あとでまた遊ぶことを子供達に約束させられてイージス神官の所へ避難した。
そんなに笑うとは思いませんでしたよ、神官さん。
この人ってロブさんより堅物で笑顔なんか見せない人かと思ってたんだけど、、
子供達の上達は順調で孤児院の子供達にもかなりの才能の子が居たそうで
イージスさんは喜んでいた。
魔獣の出没が頻繁になってることはやっぱり心配だそうだ。
「おかげさまで魔法の使える者が増えました。
街の守備隊の援護も前よりできるようになったんですが
それでも守備隊はオーバーワーク気味です。
領主さまへの増員要請が通るとイイんですけどね」
ココへ来たのが領主さまの一族の方の護衛で領地の視察と
魔獣の実地調査だと教えた。
『森』が原因らしいとみんなが予想しているようだと。
「ぜひとも領主さまに現状をお知らせしていただきたいです。
魔物が増えてるのは魔獣におびえて人目に付くところに出て来て
いるからだと思うんです。
ココで食い止められれば他の場所への影響を減らせるんじゃあないかと
皆で話してはいるんですよ」
『森』は大きくて広い。
この領地の他にもあと2つ別の貴族の領地が接している。
魔獣が『森』から来ているとしても境界線が長すぎてどこから出て来るかなんて
予想ができるはずもない。
全部カバーする方法なんてあるんだろうか?
まあ、魔獣は当然魔力を持ってるから感知できる者がいれば
ある程度の把握ができないこともない。
だけど二十四時間ぶっ通しで長い境界線を見張るなんて、
この街の守備隊だけじゃあ無理だよね。
万里の長城みたいなのを築くとしても何年かかる事か……
ともかくリョーさんにロブさんやイージスさんの話を伝えることにした。
アランさんのステータスをココの石板で解析してもらった。
オレは文字化けしてたのに彼は普通にでてきた。
名前:アラン
職業;奴隷(元王子)
レベル:28
HP:185
MP:273
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レベル20で平騎士程度レベル30なら隊長クラスだそうだ。
お供のガビーさんは多分隊長クラスだね。
HP は普通だろうと思う。MPはレベルにしては高めかな。
それよりも(元王子)って出てるんだけど……(汗。)
「今は奴隷なんだから(元)は気にしないでほしい。
ココは元の世界じゃあない。
臣下も居ない王子なんて置物や飾りにもならないからな」
ご本人はそんなことをおっしゃってますけどねぇ。
こちとら貴族ですらない一般庶民なんですよ。
気にするなって言われてもねぇ。
しかも奴隷にしちゃったのってオレなんだし……
でも、王子だったんなら「皆に恨まれること」ができる立場だったのは
分かる気がする。
上のちょっとの判断が下には大被害なんてのはよくある話だ。
死んだ後で国の最高勲章をもらった元総理大臣でも在職中は天下の大悪人みたいに
マスコミに書かれてたりするからね。
清濁あわせ飲まないと政治家はできないだろう。
彼は「しでかした」と言った。
自分のしたことに自覚があったということだろう。
「その結果としてココに居る」のだから追及はしないのが
一番イイのかも知れないね。
イージスさんに名前が判明したことと異世界人だったことを報告した。
やっぱり驚いていた。
先々代の領主さまが召喚された人だとは知ってても目の前のオレもそうだとは
思って居なかったようだ。
「何か」について見てもらいたいとお願いしてみた。
でも、彼でも良く分からないと言う。
やっぱり諦めるしかないのか……
と思ったらココの神殿長さまに頼んでみようと言ってくれた。
「私より高位の方なので何か分かるかもしれません。
貴方のオカゲでココも助かりましたからね。
遠慮はいりませんよ」
有り難くお願いすることにした。
ほとんど期待はしてなかったんだけどね。
子供たちに人気のクローバー君。
う~ん、色っぽいお姉さんがでてこないねぇ。
ギルドの受付嬢たちとお嫁にいかれたご令嬢だけだもんね。
あ、あとはシスターか……でも叱られてばっかりだし。
どうも女性運はあんまり良くないみたいですねぇ。
モテモテ展開ってやってみたいんですけどね。




