41・魔女なおばあさん。
魔法具を造れると言う人を教えてもらったので訪ねた。
街はずれの一軒家。
でも、コレは家って言っていいのか?
換気の心配は多分しなくていいだろう。
雨の心配は必要だね。屋根に穴が所々あるから。
泥棒も入る気はしないだろう。
ドアが傾いてる……ちゃんと開くんだろうか……
ともかくノックしてみる。
返事がない……タダの空き家のようだ。
でもココだって言ってたんだよねぇ。
声を掛けてみる。
あのー、ギルドにいた魔術師のオーリンさんに紹介されてきた者ですが
ご在宅ですかぁ?
あ! オーリンさんはダンさんの友人でダートの街での宴会に
紛れ込んでた人の一人です。
結構な酒豪だそうです。
返事がない……タダの……空き家じゃあなかった。
なんとドアが開きましたよ。
でも中は真っ暗です。
ん~、アヤシイ……でも、開いたってことは入っていいよ!ってコトだよね。
それ! って感じで突入!
ありゃ? なんじゃこりゃ?!
今にも崩れそうなボロッちい小屋だったはずなのに中は普通にきれいな広間です。
天井も高い。
狐に摘ままれたような気分で見渡したら足元から声がしました。
「それでオーリンのヤツはくたばったのかい?」
どうやらこの方がこの家のご主人のようですね。
背中の曲がったおばあさんです。
イメージはおとぎ話の魔女さんですね。
まだ! ですよ。
でもあのペースでお酒を飲んでたらその日は近いかもしれません。
ご友人なら少し控えるように言っていただけませんか?
「ふん! アイツの半分は酒精でできている。
いまさら止めさせたところでくたばるのが早まるだけだ」
そうですか……まあ、仕方ないかもしれませんね。
迷惑を周りに掛けてる訳でも無いですし。
ところでアナタの半分は何でできてるんでしょう?
「そんなことを聞いて来たのはお前が初めてだな。
ん~、そうだな……好奇心かもしれない。
変なモノばかりが好きなんで嫌がられてるからオーリンよりは
世間の迷惑って奴だろう。
ところでお前は誰なんだ?」
あ、すみません。クローバーと言います。
ちょっと魔道具について教えていただきたくて。
「クローバー? それって本名か?」
いえ、便宜で付けた仮の名前です。
気が付いた時には自分が誰だか覚えてなくて。
持ってたカップの裏底に四葉のクローバーが描いてあったので
ラッキーがほしいなぁって思ったんですよ。
「お前……そんな秘密を初対面の相手にペラペラとまあさらけ出せるもんだな!
ちっとは警戒しろよ!」
え? 警戒しないといけないことなんですか?
オレが異世界人だってのは領主さまにもバレてますけど。
「やっぱりお前……召喚者なんだな。
アレのジジイも召喚者だった。
ジジイはもうくたばっただろう」
いえ、まだです。回復魔法が効き難くなってきているそうですから
もうじきかもしれませんが。
ひ孫の令嬢が結婚なさったので少し元気が出たみたいには見えましたよ。
お知り合いですか?
「まあ、しぶといジジイだねぇ。
ウチの亭主より長生きしてるんだから憎んでるヤツがゾロゾロいるんだろう。
ああ、亭主ともども一緒に旅をした仲だよ。
オーリンは見習いで荷物持ちだったんだよ。
一丁前の顔をしてるけどな」
おばあさんな魔女さんはサトーさんのお仲間でした。
さてお名前なんかからお聞きしますかね。
魔女と言ったらお菓子の家の魔女ですねえ。
ヘンゼルとグレーテルを食べようとしてたひとです。
まあ多分、ヘンゼルとグレーテルのように森に
捨てられた老女がモデルなんでしょうね。
姥捨て山とか日本にもありますから向こうの国にも
あったんだと思います。
彼女は結局退治されてしまいますが見方を変えれば
彼女も被害者のひとりかもしれません。
被害者が加害者になってるってのはありがちな
パターンですがコレが結構あなどれません。
なにしろか弱い老人が魔女に変身しちゃうんですからね。
さて、この魔女さんはイイ魔女なんですかね?




