42・ゲーム機。
魔女なおばあさんはナオミさんだそうだ。
異世界人だけど召喚ではなく迷い込んだんだと言う。
「母親の実家が山奥でね。
死にかけのじぃさんの見舞いに行った帰りに道に迷ったんだ。
車ごと来ちゃったんだよ。
ガソリンが切れたらタダの箱だからね。
結局山の中に放置したんだよ。
亭主に助けてもらってなんとかこの世界になじんで
気が付いたらもうこんなばあさんだ。
来たときは悪い夢を見てると思ったけど今じゃあアッチの方が
夢なんじゃあないかって思ったりするねぇ」
サトーさんも帰れる可能性は低いって言ってたよなぁ。
この人もそう感じて生きて来たんだろうか。
「クローバーはコノ世界には無かったからアンタもきっと異世界人だろうと
思ったんだけど当たりだね。
気の毒だけど帰れないと覚悟したほうがいいよ」
でも、自分が誰かも分かりませんでしたからちょっとでも
思い出したいとは思ってるんですよ。
サトーさんのおかげで名前はわかりましたしね。
思い出せてはいないんですけど。
ステータスが文字化けしていたのをサトーさんが解明してくれたのを話した。
「ふん、あのジジイは死にそうになっててもボ〇てはいないみたいだね。
キーボードか……懐かしい言葉だねぇ。
ココにはパソコンなんて無いから……」
ゲーム機をアイテムボックスから出してサトーさんもコレで同郷だと
確信してくれたと言ったら目つきが変わって……怖かった。
結局、進呈する羽目になった。
まあ、取り上げられた……とも言うかもしれない。
代わりに魔道具のことはなんでも教えてくれることに。
う~ん、授業料としては高いのか安いのかわからないなぁ。
でも教えてくれそうな人って他に居ないみたいだしね。
アレも電池がいつまで持つか分からないし。
ちょっと詐欺っぽい気がしたクローバー君ですが魔女なナオミさんは
次の日には魔道具でゲーム機を再現してしまっていました。
携帯型ではなく据え置きなアノタイプ。
電気じゃあなく魔力で起動する代物でした。
デザインまでそのままで再現したのでゲーム機の会社に知れたら
どーなるんだろう……と冷や汗をかいてしまうクローバー君なのでした。
違反だろうがなんだろうが異世界だからなんでもアリですね。
おばあさんになってもゲームは忘れてないってスゴイよ、ナオミさん!
ナオミ・キャンベルさんの名前を最初に聞いた時は驚きましたよ。
ナオミさんって同級生にもいましたから日本産な名前かと思ってました。
冒険家の植村直己さんだってナオミさんですもんね。
でも聖書にも出てるくらいの名前なんだそうです。
いつからナオミさんは日本人の名前になったんでしょうねぇ。
最初はキラキラネームだったのかもしれません。
私ももっとキラキラな名前だったらよかったなぁ。
純日本人な名前なんだもん……




