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39・指。

 ダンさんは弟さんが魔物に襲われてケガをしたのでその

治療代を稼ぐために遠出の仕事をした。

回復魔法や魔法薬はタダではない。

ちゃんと対価が要る。


まあ、フロルの街では信用のあるダンさんなので支払いは待ってくれたし

分割でもイイと言われたそうだ。


仕事もほとんど無事に済んで街の近くまで来たら魔物に襲われたんだそうだ。

近くまで来て? 

この辺りはあまり凶暴な魔物は居ないと言う話だったけど。

金色イノシシは珍しがられてたしね。


皆を逃がしてギリギリ魔物は退治したけれどダンさんは重傷を負ってしまった。

回復魔法や魔法薬をいろいろ使って皆で助けたけれど

手の指が欠損してしまったのでもう冒険者は無理だと……


ともかくお見舞いに出かけた。


泣いている弟さんを慰めていた。

お前のせいじゃあないと……


お礼を言われた。


「おかげで死なずにすんだよ。

ギルドの受付の姉ちゃんに変な顔のマスコットを預けてっただろ。

アレの物理ダメージ軽減効果のおかげで大丈夫だった。

壊れちまったがな。スマン。


護衛の報酬だけじゃあ足りない治療費も魔物の代金で払えたんだよ。

まあ、手の指がコレじゃあもう冒険者は無理だけどな」


オレの回復魔法じゃあ欠損までは無理だ。

アレは相当高位の神官とかでないと……

「薬」と言う言葉が<パシン!>と言う感じで頭に浮かんだ。


なんだ!? 「薬」? 


コレは記憶の断片だろうか。

でも手持ちの薬……アイテムボックスだ! 


オレが百面相を始めたのでダンさん兄弟は変な顔をしていた。

でも構っていられなかった。


アイテムボックスを検索してみる。

回復薬が山ほど。でもコレはどうも並のモノだね。

魔力の回復薬は普通の回復薬の半分くらい。

本物かどうか分からないエリクサー。

体力と魔力と状態異常まで治すらしい。10本ほど。


そうして欠損を回復させる薬。3本しかなかった。

効くんだろうか……


ともかく試してみるしかない。

ダンさんを説得して手に塗ってみた。

驚いた! いや、驚くなって無理! 


ゆっくりだけど見える速度で指がニョキニョキ生えて来た。

ダンさんの指は両手のほとんどが無くなっていたんだけど。


一体どうやって造ったのか、何が原料なのかも分からない。

ただ、魔力が凝縮されてるという印象は受けた。


ダンさん兄弟も呆然としている。

あ! コレってやり過ぎたかもしれない。



最初に冷静さを取り戻したのはダンさんだった。

そして「オレ……引っ越すよ」と言った。

 欠けてしまった指を生やす薬は実は研究中ながらもうあるそうです。

アメリカの大学で研究中でピクシーダスト(妖精の粉)と

呼ばれているそうです。

傷を傷で定着させずに再生させるんだそうで、まあ説明されても

良く分かりません。不思議粉ですね。

細胞外マトリックスがなんたらかんたらって言われてもねぇ……


ちなみに原料は豚の膀胱ぼうこうだそうです。

あー、ちょっとキモイかも……


でもコレが一般的なモノになれば助かる人は山どころでは

ないと思います。

研究者の皆さまには頑張って頂きたいですね。

ノーベル賞くらいはあげてもいいぞー!(笑。)

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