第11話 嵐のあと
SHOがニヤリと笑った。
「キスくらい普通にできるくらいにはならないとね」
「キっ…!!!」
苺依の顔が耳まで真っ赤になる。
「SHO、あんまりイジメるなよ」
「イジメてないもーん。キスくらいできないと、絶対バレるよ?」
「まぁまぁ。まだ始まったばっかりなんだし、これから慣れていけばいいよ」
「KAIさん……」
「ま、頑張ればー?」
SHOはなにかご不満な様子で膨れていた。
「さ、とりあえず今日は解散だ。苺依ちゃん、トマのことよろしくな」
「はい!」
KAIが優しく微笑み、メンバーたちは帰っていった。
こうして嵐のような夜食会が終わった。
「ったく、SHOのやつ……あ~疲れた。おい、いちご」
「は、はいっ!」
不意に名前を呼ばれ振り返る。
「明日も早いからさっさと寝るぞ」
「え……っ、ね、寝る……!?」
苺依の声が裏返った。
「な、何を、そんな……。あ、あの、契約書にはそんなこと……っ!」
真っ赤になって動揺する苺依を見て、TOMAは一瞬呆れたような顔をしたが、すぐにその唇に意地悪な笑みを浮かべた。
ゆっくりと歩み寄り、目の前に立つと苺依を覗き込む。
「……何、想像してんの?」
「な、なにも! なにも想像してません!」
「ふーん……。顔、苺より赤くなってるけど」
「そんなこと言わないでください!」
TOMAはふいに手を伸ばし、苺依の頬についた小さなゴミを指先で拭った。
その指が熱くて、苺依は息を止める。
「安心しろ。あんたの部屋はあっち……俺、そんなに趣味悪くないから」
「……っ、どういう意味ですか、それ!」
真っ赤になって吠える苺依を見てTOMAは悪戯っぽく笑って苺依の頭をポンと叩いた。
「……じゃあな、いちご。おやすみ」
TOMAが寝室へ消えた後、苺依はキッチンの床に座り込んだ。
――――ドッキン、ドッキン、ドッキン、ドッキン……
さすが私の推し……心臓に悪い。
これ、あと何日続くの?
――To be continued




