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試練の入口3
ラシュフェーニカが少し呼吸を置いて、顔を上げる。
ソノ目は彼の後ろ姿を見つめていた。
「私、もう見ているだけは止めにしたんです。
だからね、明様」
ラシュフェーニカが言い終わると、彼女は一呼吸置いて、そして静かに息を飲む。
ソノ目には強い光が宿っていた。
「私!
アナタにアイに行きます!
“本当の、アナタに──”」
明の後ろ姿が振り向いた。
ラシュフェーニカはソレに向かって、ふわりと微笑みかけた。
「ココにアナタが居たのなら、どうして|《凛浄》にソノ報が飛んでこなかったのでしょう?
どうしてテオラーダは一言も教えてくださらなかったのでしょう?」
ラシュフェーニカが明に向かって足を進める。
「私、すぐに分かりました。
きっとアナタは、本当の明様じゃないんだって。
どうしてでしょう?
分かったんです。
だから──」
ラシュフェーニカが明の手を取る。
そして語り掛けた。




