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試練の入口4
「私、アイに行きます。
明様を迎えに行きます。
ソノ為に、旅に出たんです」
ぎゅっと手を握って、ラシュフェーニカの菫色の瞳は明の黒い瞳を見つめた。
「寂しがり屋で、独りぼっちを嫌う明様にアイたい。
会わせて…?
何が在っても、私はコノ手を離さないから」
ラシュフェーニカの言葉に、明がひと瞬きしてラシュフェーニカの方に向き直る。
「私はラシュフェーニカ・ヴェアトリーチェ・ムーランカ。
アナタの、大事なお友達。
そして…、
アナタに寄り添う竜です」
ラシュフェーニカがふわりと微笑む。
“明の姿をしたソレ”がふわりと微笑んだ。
すると “明の姿をしたソレ”の身体が淡く輝き出し、下からふわりふわりと風が髪や服を揺らした。
“明の姿をしたソレ”がふわりと微笑む。
そしてソレは口を開いて言った。
「…──待っていた。
ようこそ、試練を受けし者よ。
さぁ、今こそ私の試練を受けよ」
“明の姿をしたソレ”が消える。
ラシュフェーニカの手には”金色の装飾に紅い石がはめ込まれた耳飾り”が握られていた。
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