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紅衣ノ狐3



金色の野。

ススキが風に靡き、ソノ女性(ひと)は背を向けて立っていた。

頭上、片方のみで長い髪を結わえ、すらりとした長身で高く柔らかい歌声で歌を歌っている。

ソレはまるで誰かをコチラへ誘うかのように。



紅い長い髪。

すらりとした長身。

高く柔らかい声。

ソノどれもに、見覚えが在った。


…否、見覚えが在って当然だった……。




「…そんな……、天蘭…、姉さん…?」




そうだ。

アノ姿は間違いない!

何度も見た、アノ後ろ姿。


優しくて、

想いやり深くて、

暖かい笑みを浮かべる姉──李来 天蘭だった。



『──風蘭(ファウラン)



風蘭の脳裏に、優しく微笑みを浮かべる姉の優しい声が響く。

懐かしい、想い出が…、今は亡き、姉の姿が……。




「…っ!

お姉ちゃんっ!!」




風蘭が金色のススキのノをかき分けて、姉の(もと)へと進む。

真っ赤な朱茜日(シュアカネビ)が、朱赤(あかあか)と彼女を照らす。



風蘭の後ろ…、夕告げの光の先には…、宵闇ノ漆黒が広がっていた──。

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