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紅衣ノ狐2
《…試練を受けよ。
私は使者にして、ソナタを見定める者なり》
そう心の中に語りかけてきたのは、知らない少女のか細く落ち着いた声だった。
「…コノ声は、貴女ですか?」
ラシュフェーニカは努めて冷静に、紅い衣の狐面の女の子に問うた。
少女は頷いた。
《私は神々ノ使者にして、コノ社にてソナタを見定める裁判官にして神官なり》
「社…?」
すると少女は、紅い衣の袖口から指を出した。
五本の指先には紅い糸が巻き付いて垂れ下がっており、ソノ先には幾つモノ鈴が音を響かせた。
《“隠れ鬼”をしましょう…。
私を見つけたらソナタの勝ち。
でも私を見つけられなくば…、ソナタの、…死──》
──死
ソノ言葉に、ラシュフェーニカは息を飲んだ。
《私を見つければ、ソナタの連れの者も返しましょう》
──⁈
風蘭っ!!
少女がシャランラ、リンリン、と両腕を羽撃たく鳥のようにゆるやかに振り、音を鳴らす。
《嗚呼…、コノ遊びをするのは、十八代目 天空ノ巫女以来ダ…──》




