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《【道】ノ格入》 16
「六年前のお話、っていうの…、
ママからよく聴く…。
おばあちゃんのおねえちゃん、…長老様のお孫様のお話…」
老婆が怯えたように泣き出しそうな小さな孫の頭を撫でる。
「天蘭…。
《【道】ノ格入》 を受けた、現《星ノ人格者》の前補佐の娘よ…。
優しい優しい娘よ…。
どうか天で、どうか、コノ《火ノ宮》の娘を、護っておくれ………──」
老婆が両手を合わせたまま握りしめ、強く強く祈る。
百鈴の音が、一時、一時を区切るように、
一時、一時を奮わせるように鳴る…。
神々ノ住まう世界へ。
神々よ、近づくことをどうか許し給へ…、と祈るやうに──。
第十八代目 天空ノ巫女──明の姿を追って、火ノ神々ノ神託を受けて、
第十八代目 天空ノ巫女──明の姿を探す為に…、
第十八代目《火ノ宮》──ラシュフェーニカ・ヴェアトリーチェ・ムーランカが、崩れた壮麗な神殿の前で舞う…。
ソノ姿は、長い尾と優美な翼を奮った火ノ鳥のようであった──。
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