50/136
《【道】ノ格入》 5
…何処の言葉かは分からなかった。
しかし明様は曲を知っているかのように、
天から降りてきた音に合わせて、何処か知らない民族の言語で歌を歌い始めた。
とても美しく、壮大な世界だった。
…ソノ時のことはよく覚えていた。
誰かが、“夢神楽”、“時神楽”、“神神楽”と呼んでいた。
そう…。
ソレは誰もが知っている古代史の、どの伝説、神話にも登場する“神音台国”という古代ノ國で生まれ、使われていたという“御神楽”の一つだった…。
もっとも、誰かがソノ三種ノ名を口にするまで自分はソレについて全く知らなかったのだが…。
“御神楽”についてはいろんな種類があると聴く。
その中でも、最古ノ歴史と伝統を受け継ぎ、引き継がれてきたのが…、
「アノ世たる常世、コノ世たる現世、夢ノ世界たる夢世を結ふ夢神楽」、
「遥かなる悠久の時を渡りて結ぶ、時の流れの結ひ、古来現来未来を詠ふ、時神楽」、
そして…、
「神々ノ世と我らが民ノ世、そして魂ノ世や全ての生まれる場所にして全ての帰る場所、また大魔女達見護る者達が住まう世界、ソレらを結ぶとされている神神楽」──。
この三種だ…。




