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《【道】ノ格入》 4
ソノ時のことはよく覚えている。
就任の簡単な儀式だった。
天空ノ巫女として、地位に就くことをきちんと報告に来た、奉納の舞の途中だった。
ふと、古来に則った舞の途中で、明様は“はた”、と…、動きを止めて天を見上げたのだ──。
そしてそのまま舞はすぐさま再開されたかと想うと、古来に則った舞の続きではなく、見たことのない形式、動きの舞を舞われ始めた…。
すると、天からどこからともなく音が舞い降りて響き、ソレに合わせるように明様は声を奮わせて天を仰ぎて歌を歌い奏でた。
楽器を演奏する者は居た。
けれども“ソレ”は、予定された曲とは違った。
“ソレ”は誰か演奏者が弾いていたわけではなかった。
確かに天から…、音が舞い降りたのだ…。
この大地に咲く水晶の柱や水晶の華が煌めき、幻想的な世界と澄んだ気が辺りに満ち溢れた。




