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《天空ノ塔》へ── 12
テオラーダが祈るように口紡ぐ。
ソレは歌だった。
歴史上初の男の巫女、と謳われた、
十八代目 天空ノ巫女──今上カグヤ様が、好まれてよく歌ってらしたというお歌…。
なかなか御心を開いてくださらず、御茶会も御一緒したことはなかったけれど、
御会いする度に楽の話だけは付き合ってくださった。
そして彼に会う度に、よく聴き、共に歌わせていただいたお歌。
心を開いてもらう、なんてそんな簡単なことではないけれど、
少しでもアノ悲しそうな子ノ御力になれれば…、と、何度想ったことだろう。
テオラーダの長い青い髪が風に揺られる。
何かが、誰かが、訪れる。
ソレにテオラーダは心が奮えた。
迎え入れよう。
コノ神域に、コノ三大神宮殿──ソエユサラウィスの一つ、《天空ノ塔》──天祈奏ノ殿へ。
星が喜ぶ、今導かれ訪れし者を──。
あまねく全てが、強く、心から今、訪れる導かれし者を待ちわびている…。
強く、強く、心を震わせて──。
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