王子と王女
「・・・・」
レアルはゆっくりと自分の目の前を埋め尽くす人ごみを見つめる。その人ごみのすべてはエールトリス魔導学院の生徒だ。生徒たちは学院の正門から建物までの道の両端に集まっている。
正門付近に集まっている生徒は魔導学科、一般学科、高等部、中等部と学科や学年に関係なく様々な税とが入り乱れている。
だが、正門から建物までの距離はそう長くはない。学院の生徒は中等部と高等部の各科を合わせて千人弱。当然、短い距離に全員が入れるはずもない。なのでこの人ごみに交じれなかった生徒は建物の窓から顔を覗かせていた。
生徒は緊張している者、興奮している者、不安になっている者など表情は様々だが、ほとんどの生徒が落ち着きがない。その所為でうるさいくらいにざわついている。けれど、このにいる生徒の全てはある人物たちを今か今かと待ち望んでいるのだ。
その人物たちとは、エールトリス王国の王子と王女だ。今日はその王子と王女が学院に編入することになっている。そのため、朝っぱらからちょっとしたお祭り騒ぎのようになっているのだ。
「・・・・はぁ」
生徒がみな浮き足立っている中、レアルは一人だけうんざりしたようにため息を漏らした。
レアルがいる場所は正門の近くではあるが、人ごみの中に交じっているわけではない。大勢いる生徒の後ろからさらに後ろに下がった木にもたれていた。ここからでは多分、王子と王女が来たとしても顔を見れるかどうかは微妙だろう。
別にレアルは王子と王女の顔が見たいからという理由でここにいるのではない。王子達の歓迎をすることは生徒全員強制参加であることと、オズワルドの依頼をこなすためだ。
王子と王女が編入して一週間は陰ながら彼らの護衛と学院の警護をしなければならない。編入当日、いきなり王子達の暗殺を企てている輩が、万が一いないとも限らないので、何かあったとき動けるようになるべく近い場所に控えているのだ。
今日は王子達の歓迎する行事に費やされるので授業はない。授業がないというのはレアルにとってかなり喜ばしいことなのだが、そこまで素直に喜べない。
そもそもレアルは王子達を歓迎する気持ちは全くない。学院や生徒たちにとっては嬉しい行事であるが、レアルにとってが彼らが来ることで一つ仕事が増えたのだ。面倒事を増やしてくれた相手を心から歓迎できる殊勝な心掛けなどレアルは持ち合わせていない。
レアルの立場からしたらほとんど顔を拝むこのない相手だが、精々珍しい人物が来るぐらいにしか思えない。
「こんなところで何やってんだよ?」
すると、後ろから聞き覚えのある声とともに肩を叩かれた。その方向に目を向けるとそこにはカイトが立っていた。
「何だ、カイトか」
「みんなはこれだけ盛り上がってるのに、テンション低いな」
「別に俺はいつも通りだよ。周りがおかしいだけだ」
「おかしいって、これくらいは普通だと思うけど。滅多に会えない王族にお目に掛かれるんだからな。みんな楽しみにしてたんだろ」
「まぁ、騒ぐ理由も分からんでもないけど」
レアルは目の前の生徒の集団を見ながら、この中で純粋に王子達の歓迎をしている生徒は一体何割くらいいるのだろうと考える。
学院の生徒がここまで騒いでいる理由は何となく分かる。カイトの言った通り王族と会う機会なんて滅多にない。学院に通うということは貴族の生徒たちにとってチャンスなのだ。王族というのはこの国で最も尊ばれるぞんざい。しかも、王子はすでに次期国王にも予定されている。もしも、王子達に気に入られることができれば、かなりの権力が得られる可能性がある。
学院に通っている間に王子達と仲良くなって、何かしらの利益を得ようと考えている生徒はかなりいるだろう。寧ろ、そう考えている方が普通だ。
それに王子と王女はかなりの美男美女、他にも文武両道、才色兼備などお近づきになりたい要素などいくらでもある。
そこでレアルはアイシャも学院ではこういう風な認識だったなぁ、と編入したての頃を思い出す。まるでアイシャが三人に増えるようだ。
「お前はあの中に交じらなくてもいいのか?」
「いや、今更無理だろ。あの人ごみに揉まれる勇気はないよ。お前はいいのか?」
「そこまで興味があるわけじゃないしな。それに俺は問題児だからなるべくそばにいない方がいいんだよ」
昨日のホームルームの時に今日のことが説明されていた。その時、学院で問題児扱いされているレアルはミレイナからくれぐれも問題を起こしたり、無礼を働いたりしないように釘を刺されていた。それはもう、すごく睨まれながら。
「そういうこと自分で言うか、普通?」
「まぁ、率先して問題を起こしてるつもりはないけどな。特に気にしてるわけでもないからいいんだよ」
「そんなもんか?お前が良いならいいけどさ。そう言えば、アイシャとユーナは一緒じゃないのか?」
「何であいつらの名前が出てくるんだよ?」
「え、だってお前らいつも一緒に居るから」
カイトはそれが当たり前のように言ってくるが、決してそんなことはない。そんな風に認識されているのは授業中にアイシャがレアルを監視するために隣の席に陣取っているからだ。授業中ずっとなので一日の間で一緒に居る時間は長い。けれど、それ以外の時間を共に行動することはあまり多くない。ときどきどこかで会う程度だ。
「一々、アイシャと俺をセットにするな。そんなこと言ってたらまた変な噂が立つからやめろ」
「とか言って、満更でもなかったりするんじゃないのか?」
「じゃあ、今度変わってやるよ」
「それは遠慮しとく」
からかってくるカイトをいつも通りに受け流す。
すると、騒いでいた生徒たちが一斉に静まり返った。生徒たちの視線は正門の方へと向けられていた。どうやらそろそろ時間のようだ。
そして、しばらくすると一台の馬車が学院の中に入って来た。馬車の周りには白鎧を纏った兵士たちが馬に乗りながら馬車を護衛していた。
馬車は学院に入って少し進むと停止した。馬車が停止すると執事服を着た老齢の御者が運転席から降りて後ろの扉を開けた。
すると、中から一人の青年が出てくる。燃えるような赤い髪と赤い瞳、誰もが魅了されてしまいそうな整った顔には微笑みが浮かんでいる。学院の制服を着て、肩には最高学年の証である赤いマントを羽織っていた。この青年こそ、いずれこの国の王となることが約束されている第一王子、シリウス・フォン・レイナード・エルトリィだ。
馬車から降りたシリウスは周りに向かって手を振る。すると、それだけで生徒から歓声が沸きあがった。あまりの音量にレアルは少し顔を顰めた。けれど、シリウスはこれだけの歓声を向けられているというのに全く表情を崩していない。
シリウスが降りた後、馬車の中からもう一人出てきた。腰まで伸びたストロベリーブロンドの髪に大きな赤い瞳、可愛らしいという言葉が似合う少女は、先ほど出てきたシリウスと同様に微笑んで周りに向かって手を振った。彼女はシリウスの妹であり、この国の第一王女、フレイリア・ラス・ハーミット・エルトリィだ。
フレイリアの登場によりまた歓声が大きくなる。レアルにとっては耳を塞ぎたくなるほどに。
「・・・ったく、うるせぇな」
「へぇ、あれが王子様と王女様かぁ」
レアルの横ではカイトが背伸びをしながら人ごみの向こう側を眺めている。
「こっから見えるのか?」
「ああ、ちょっとだけ。お、あれはもしかして魔法騎士団の兵士かな?」
魔法騎士団というのは軍の中で最も強いとされる部隊のことだ。魔法騎士団とは魔法が使える兵士が集められているのではない。魔法が使える兵士というだけなら多くいる。魔法騎士団はその中から選りすぐられたものだけが入ることを許される。言わば、エリートの中のエリートというわけだ。
「そんなのよく分かるな」
「白鎧は軍の中でも強い部隊にしか支給されないからな。それに肩の鎧にエールトリスの紋章が付いてるし」
魔法騎士の方の鎧にはエールトリス王国の旗印に使われている紋章である角の生えた獅子が刻まれていた。
「王都から学院まで馬車ならそんなに距離ないのに、わざわざ国の最強部隊が護衛とはね。愛されてんなぁ、王子様たちは」
「こういうこと自体が珍しいからな。そりゃ慎重にもなるだろうよ」
生徒たちの歓声が鳴り止まぬ中、シリウスとフレイリアは建物の方に進む。すると、そこにはいつの間にかオズワルドが立っていた。学院長として歓迎の挨拶をするのだろう。
シリウスがオズワルドの前で立ち止まる。すると、自然と生徒たちの歓声が収まって行った。
「お久しぶりです、オズワルド学院長。この度は私たちの我儘を受け入れていただき感謝します」
「こちらも久しぶりじゃ、シリウス王子。そして、お初にお目にかかる、フレイリア王女」
「初めまして、学院長。私も兄と同じく、編入を受け入れてくれたことを感謝します」
学院長と初対面だったフレイリアはスカートの端を少しだけ摘まんで小さくお辞儀をする。
「二人ともようこそ我々の学院へ。生徒と教師一同を代表してそなたたちの編入をここより歓迎しよう」
「歓迎ありがとうございます。こちらこそ、まだ未熟ではありますがこれから出会える学友とともに様々なことを研鑽しあえるよう努力する所存です」
そう言葉を交わし終わった後、シリウスとオズワルドは握手をした。すると、またも生徒たちから歓声が巻き起こる。
「終わったか」
「そういたいだな。ん、どこ行くんだ?」
「次、講堂だろ」
この後は生徒全員が講堂に移動して、改めて王子と王女の紹介を行うそうだ。その後はちょっとした交流会をやる予定になっている。
「サボったりしないのか?」
「俺は率先してサボりをやったことはない」
「いつも授業で寝ようとしてるくせに」
「参加してるからサボってるわけじゃねぇよ」
後でぞろぞろと大量の生徒が来るのだ。そうなると、講堂に入るのはかなり時間が掛かる。早めに言って入って待っていた方が楽だ。
「じゃあな。先ってるからな」
「あ、待て、俺も行く」
◇◆◇◆◇◇
その後の行事は滞りなく消化されていった。講堂ではまず学院長の挨拶から始まり、次にシリウスとフレイリアの紹介、最後にそれぞれの意気込みを語ってくれたところで終了。
そして、今は王子達との交流会が開かれている。講堂には料理が運び込まれて立食パーティーのようになっている。
シリウスとフレイリアの周りには大勢の生徒が集まって、みんな我先にと話をしようとしている。
ちなみにこの交流会は生徒は自由参加だが、この講堂に残っているのはほとんどが貴族の生徒だ。なぜ、貴族ばかりが残っているのかというと平民の生徒はこの手の行事に慣れていないから、というのと残っていても貴族の生徒があまりいい顔しないからだ。
なので一般学科の生徒はほとんどが退場している。中にはそんな暗黙のルールなど気にすることもなく食事を生徒もいたりするが。
大勢の生徒に囲まれているシリウスとフレイリアを見ながらアイシャは少しだけ気の毒に思った。こういった場に呼ばれることの多い立場であるアイシャでもあそこまで人に囲まれたことはない。
しかも、あれだけの人数に話しかけられているというのにシリウスは表情を崩さずに対応していることろがすごい。フレイリアの方は少し戸惑っていて困っている様子。その辺りは流石次期国王と言うべきだろう。
「アイシャ様はシリウス様とフレイ様のところには行かれないのですか?」
そんな風に二人を眺めていると横にいたユーナに声を掛けられた。交流会が始まってからアイシャは誰と話すわけでもなく、多少料理を摘まみながら講堂の中を眺めているだけだった。
「あそこまで大勢の生徒に囲まれているのよ。今話すのは難しんじゃないかしら」
「え、でも、アイシャ様なら通してくれそうですけど・・・・」
「・・・・それだと、かなり目立つじゃない」
アイシャは少しだけ本音を漏らした。学院の中では知らない人はいないというほど存在が知れ渡っているアイシャだが、そんな風になってしまったのはアイシャ自身が何かをしたというわけではない。学院中に知れ渡ったのは主に家の所為、あと少しだけ容姿もあるかな、とアイシャは思っている。
目立つ行動というのはあまり好きではない。最近ではゴースト事件を何故かアイシャが解決したみたいになっていて歯がゆい思いもしていたため、特にそういった行動は控えていた。
シリウス達との友人関係がばれてしまえば、また色々と誇張された噂が飛び交いそうだ。レアルとの噂もやっと沈下してきたというのにまた噂の標的にされるのは避けたかった。
「まぁ、挨拶もしないというのは失礼な気がしないでもないけど、今は他の生徒たちの相手が忙しそうだから後にしましょう」
「はい、分かりました」
アイシャ自身、シリウスとフレイリアが学院に編入することについては歓迎していた。親しい友人と学院に通えるのだ、嬉しくないわけがない。つい昨日まで編入のことを黙っていたことは少し不満に思っていたが。
学院に通うということは寮にも入るのだろう。そうなれば、話す機会も多くなる。なので、今すぐに話す必要はないだろう。
それに今は交流会なのだ。多くの生徒と会話し、仲を深めることが目的とされているので、邪魔をしてはいけない、とアイシャは心の中で言い訳をしてシリウス達のところへ行くのを諦めた。
そんな風なことを考えていると大勢の生徒と話しているシリウスと目があった。すると、向こうは何か思い立ったように周りの生徒に何かを言って、フレイリアとともにこちらに向かってきた。
「やぁ、久しぶり、アイシャ。ユーナも元気そうだね」
「お姉様、お久しぶりです」
「ええ、二人とも久しぶり」
「お二人ともお元気そうで何よりです」
少しだけ予想外な展開になったがアイシャはいつも通り二人に挨拶をした。二人に集まっていた生徒たちは付いてきていなかったのでアイシャは少しホッとした。
「どうしたの、二人とも?他の生徒達の相手はもういいの?」
「つれないなぁ。友人を見つけたんだ、挨拶くらいはしないとと思ってね」
「そうよ。せっかく学院に編入できることになったのに見ず知らずの方の相手ばかりではつまらないわ」
「そう言うことはあまり公の場で言わない方がいいわよ。とりあえず、二人とも編入おめでとう」
アイシャは学院に編入した二人に友人として歓迎の言葉を贈る。
「ありがとう。それでアイシャはこんなところでどうしたんだい?」
「別に何かしていたというわけでもないけれど・・・・」
「では、何もしていなかった、ということだね。それだったら僕らのところに来てくれればよかったのに」
「そうよ、お姉様。どうして来てくれなかったの?」
フレイリアに少しだけ咎められるような視線を向けられる。大勢の初対面の生徒に話しかけられていたためちょっとだけ八つ当たりをしているのかもしれない。
「貴方達と話したい生徒はたくさんいるわ。だから、その邪魔をするのもどうかと思ったのよ」
「僕としては来てくれた方が嬉しかったけどね。もしかしたら意中の彼と一緒に居るのではないかと不安になったよ」
「・・・・シリウス王子。憶測でものを言うのは控えた方がよろしいのでは?」
アイシャは急に警護でシリウスに話しかけて、余計なことを言うな、という視線を送る。
「・・・何か、癇に障ったかな?」
「前にも言ったでしょう。私と彼はそんな間柄じゃないって。せっかく噂が収まってきたのにあなたがそんなことを言い出したらまた話が浮上してきてしまうでしょう」
「そうか、それはすまなかった。いや、そうか」
形式的にはアイシャに怒られたようになったシリウスだが、心なしか嬉しそうにしている。
「それより、その人は一緒じゃないの?」
「今日はまだ会ってすらいないわね」
「ええ~せっかくお姉様と親しい殿方が見られると思ったのに」
フレイリアは殿方の部分を強調しながら言ってくる。それと同時に見てみたいという風に視線を送ってくる。
けれど、それは無理だろう、とアイシャは思った。先ほどから講堂の中を見ていたがレアルらしい人物は見かけたことがなかった。まだ四百人くらいの生徒が中に残っているため見落としているだけかもしれないが、この交流会は自由参加、レアルの性格を考えたら率先して参加しているとは思えない。
「そんな目をしてもどうにもならないわよ。多分、この中にはいないと思うから」
そう言うとフレイリアはあからさまにがっかりと肩を落とす。何をそこまで期待していたのかアイシャには理解できなかった。
「僕もちょっと会ってみたかったんだけどね。いないなら仕方ないかな。それより聞いたよ。すごいじゃないか、王都で噂になっていた事件を解決したそうだね」
「あ、そうだったわ。犯人ってかなり凶暴だったんでしょう?そんな相手も物ともしないなんて、流石お姉様ね」
「え、ああ、あれね」
シリウスはこの前のゴースト事件のことを話題に出した。あの事件はアイシャが解決したものではないので少し反応に困った。
「どうかしたのかい?もしかして僕たちの賛辞は気に入らないのかな?」
「別にそう言う訳ではないけれど。ただ、賛辞を贈る相手を間違っているから」
「どういうこと?」
アイシャはゴースト事件を誰が解決したかを話した。もちろん、何故そんな風になってしまったのか、という理由も一緒に。
「え、じゃあ、掲示板に張り出された公文書の所為でお姉様が解決したこのになっていたの?」
「噛み砕いて言えば、そうね」
「解決した彼には申し訳ないことをしたね」
「本人は特に気にした様子はなかったから別にいいんじゃないかしら」
公文書のことはシリウスがしたことではないが、国が発行したものなので彼は少し責任を感じているようだ。
「それにしてもレアルっていう人、一人で事件を解決しちゃうなんて、すごい」
「確かに誰にでもできることではないね。僕もかなり興味が湧いてきた」
二人ともレアルがゴースト事件を解決したことをかなり驚いている。フレイリアはこの話を聞いてさらにレアルに会ってみたくなったようで、しかもシリウスも興味を持ったようだ。
けれど、実際に会わせようと思うと、あまりいい予感はしなかった。
「それより、シリウスさっきからあそこで待たせている人たちのことは良いのかしら?」
待たせていたのは、シリウス達を囲んでいた大勢の生徒たち。しかもかなり話していたのでだいぶ時間が経っている。さっきからこちらをずっと見ている。
「ああ、そうだね。もう少し君と話していたかったんだけど」
「これ以上待たせるのは少し可哀そうよ」
「分かってるよ。それじゃあ、また会いに来るからね。行くよ、フレイ」
「え、私もですか!」
「そうだよ。フレイもこういうことに慣れておかないといけないからね。さぁ」
「・・・・はい。お姉様、ユーナもまたね」
フレイリアはかなり渋々といった感じでシリウスについていった。シリウス達が去るのを見てアイシャは一息ついた。何だかいつもより注目されていたような気がした。
「大丈夫でしょうか、フレイ様は?」
「シリウスがいるから大丈夫よ。それに後一時間もすれば交流会も終わるわ。それより少し疲れたわ」
「どこかでお休みになられますか?」
「・・・一度部屋に戻ることにするわ」
そう言ってアイシャは講堂の外へと向かった。




