二試合目
一日目の予定は滞りなく消化されていった。
残す試合はあと一試合だけとなったが闘技場内の熱気はまだ収まることを知らなかった。
カイトは一試合目、二試合目を勝ち残り明日の決勝トーナメントに進んだようだ。
ちなみにレアルはそのあとずっと図書館で時間を潰していた。レアルは学院長に強制的に参加させられているだけなので他の試合には興味はなかった。
「何で、一番初めと最後が俺の試合なんだよ。もっと早く終わらせたかったのに」
対戦場に向かいながらレアルは小さな愚痴を零す。
レアルの事なので早々に終わらせて自室で休んでいようとでも考えていたのだろう。
「さて、どう負けようか」
もしも、この場にレアル以外の誰かがいてこの発言を聞いたのなら、多分その人物はレアルを心底怠け者だと思うだろう。今でもそう思われているかもしれないが。
レアルは明日の決勝トーナメントまで進出する気はない。
レアルの目的はこの魔導大会で優勝することではないのだ。魔導大会に参加しているのはあくまで、依頼の一部。教師陣を納得させるためのものだ。
一回戦で事情を知らない教師たちの方は問題ないだろう。
レアルは次の試合で負けることを考えているが、惨敗するつもりはない。ある程度は善戦しなければ実力を認めてもらうことはできない。
それにごく自然に負けなければならないのだ。
負けを認める方法として棄権するという手段があるが、あまり使えないだろう。
次の試合はレアルが強いということを教師に認めさせなければならない。なので、相手よりレアルが優勢な状況が必要となる。
けれど、相手より優勢なのにいきなり棄権して試合を終了させるというのは些か不自然すぎる。
普通の生徒ならそんなことはしない。正式な生徒ではないことを隠すことも依頼の一部に入っているのでなるべく普通の生徒として行動しなければならないのだ。
「実力の似通ったやつと当たればいいんだが」
そんな偶然はあり得ないだろうと諦める。
それはこの学院の生徒がレアルより弱いというわけではない。
一試合目レアルがローレンスと試合をして勝ったのも決して彼が弱かったからではないのだ。
ローレンスもBランクの魔導師だ。魔法の展開、射出する針の大きさ、針の速度、どれも申し分ないものだった。
それに『下位魔法』であれだけの【土人形】を作り出せたのだ。魔法を鍛える努力も起こったってはいなかったのだろう。
ならば、何が勝敗を分けたのかというと、経験だ。
レアルは仕事柄今までにこの学院の生徒のような、または、それ以上の実力を持つ相手と何度もあったことがある。
正確には、会って闘ったことあるだが。
もちろんそれには命のやり取りも含まれていた。そういった経験は誰かに教えられて得られるものではない。自分で経験して初めて得られる。
だから、レアルは土の針が飛んできても、土の巨人に踏み潰されてしまいそうになってもレアルは冷静に対処できた。
開会式でレアルが三年生を見ても動じなかったのは、彼らのような者を見慣れていたからだ。
なので、多分この学院にはレアルよりも弱いものか、強いもののどちらかしかいないだろう。
「まぁ、何とかするしかないか」
そろそろ、対戦場が近づいてきたのでレアルは一度考えを打ち切った。
この試合をどうするかは相手を見なければ始まらないのだ。
対戦場の中に入ってみると、まだ試合開始時間ではないが対戦相手はすでに待っていたようだ。
「ん、あいつは・・・」
その対戦相手には見覚えがあった。開会式に目に留まった女子生徒だった。
彼女の左側には青い鞘に納められた長剣がぶら下げられていた。
やはり、彼女は剣士だったようだ。
「やぁ、君がレアル・フリーシア君?」
「ああ、そうだ」
「僕はシャルロット・イル・ウィクトアリアだ」
彼女が自分の事を僕と言ったのでレアルは一瞬男なのかと思ってしまった。
そう思ったのは他にもある。開会式でも見た通り彼女か来ているものは男物だ。背も割と高めで剣もさしている。顔は中世的でかなり整っている。その所為で美男子と表現しても間違いじゃないくらいの容姿になっているのだ。そこら辺の男と比べても彼女の方が男前だと言われてしまいそうだ。
「えっと、あんた女子だよな?」
レアルは分かってはいるのだが一応性別の確認をした。分かっているのに聞くというのはかなり失礼な質問だとは自覚している。
「ああ、そうだよ。紛らわしい格好でごめんね」
「いや、それは別に構わないんだが」
シャルロットは失礼な質問に起こることもなく返事をした。この手の質問には慣れているのだろう。
「朝の試合は見事だったね。基礎魔法だけであそこまでできるなんて驚いたよ」
「あんた、あれが何なのか分かったのか?」
レアルはシャルロットが言った言葉に驚く。
彼女は通常のとは異なる使い方で発動させた魔法の正体をたった一度だけの試合で見破ったのだ。
「前に君と似たような使い方をしていた人と手合わせをしたことがあってね。それを思い出したんだ」
「それでも簡単に分かるもんじゃないと思うんだけど」
「一応、三年の中では成績は上位に入ってるからね」
シャルロットは見破れてさも当然という風に言ってくる。
レアルと同じような魔法を使う相手と手合わせしたと言っても全く同じではないはず。
頭がいいと同時にかなりの洞察力を持っているようだ。
「あと、君と試合するのは少し楽しみだったからね」
「楽しみ?」
言っている言葉の意図が分からなかった。
シャルロットとレアルに接点はない。もし、あるとするなら学院中に広まっているレアルの噂を聞いたことがあるぐらいだろう。
「もしかして、不埒者の俺を叩き潰せるから、とかじゃないよな?」
「いや、違うよ。アイシャが関わっている噂は前にもたくさんあったからね。今回の事もあまり信じてないんだ」
「じゃあ、何を楽しみにしてたんだ?」
「君、魔法より剣の方が自身あるんじゃない?」
「ああ、そっちの方が得意だな」
レアルはシャルロットの指摘に頷いた。
レアルは魔法が得意でない分、剣術や体術といった身体技能で補っている。朝の試合でもほとんど魔法は使わず、武器による打撃や斬撃で闘っていた。
「やっぱりね。実を言うと僕も剣の方が得意なんだ」
「あんたも魔法が下手だったりするのか?」
「いや、魔法か剣でどちらが得意と言われると剣が得意なだけだ。魔法を使って闘うのもできるさ」
レアルは話を聞いていてため息が出そうになってきた。剣と魔法どちらも使えるというのはかなりの実力者のはずだ。それに実戦経験もありそうだ。
もしかしたら、レアルを簡単に倒してしまうくらいの実力があるかもしれない。
これも学院長のお膳立てしてくれたのだろう。強い生徒をレアルにぶつけることによって実力を引き出そうとしているのだ。
「そんな顔しないでよ。剣で闘える相手は中々いないんだ。だから、君との試合を楽しみにしていたのさ」
シャルロットはレアルの面倒くさそうな顔を見て苦笑する。そして、レアルはシャルロットの理由を聞いてさらに面倒そうな顔になる。
だが、レアルはこれはチャンスだとも考えていた。シャルロットを劣勢に追い込むことのできる実力があると証明されれば教師たちも納得するはずだと思ったのだ。
『時間だ。これより予選最終試合を行う。対戦者は三年魔導学科、シャルロット・イル・ウィクトアリア、二年魔導学科、レアル・フリーシアだ』
シャルロットの名前が呼ばれたとき観客席からは黄色い声援が聞こえてきた。どこから聞こえてきたかも分からない声援にシャルロットはにこやかに手を振って返した。それによりさらに声援が増した気がした。その声援には女子のものが多い気がする。
「お互い頑張ろうね」
「お手柔らかに頼むよ」
『両者、準備はいいな?それでは試合開始!』
◇◆◇◆◇◆
「今日は次の試合で最後ですね」
レアルの試合が始まる少し前、ユーナは今日の試合の予定を確認していた。アイシャはそれに頷く。
アイシャとユーナ、それと試合が終わって今日は暇になったカイトは朝と同じ観客席で試合の観戦をしていた。
「この試合に勝てばレアルは決勝トーナメントに進出か。あいつ勝てるかな」
「どうでしょうね。相手があの方ですから・・・」
「容易に勝つ、ということはできないと思うわ」
三人がこうもレアルの勝利に悲観的な発言をするのは対戦相手に問題があったからだ。
「相手が学院最強の騎士候補か」
そう言いながら、カイトは対戦場の中心にいるシャルロットに目を向ける。
シャルロットの実家であるウィクトアリア家はアイシャの実家であるエテオクレス家と並ぶこの国に代々仕える大貴族である。
当主はこの国で数少ないSランクの魔導師であり、王国軍の元帥を務めている。そして、その息子もSランクの魔導師だ。
武を極めることを追求してきた貴族であり、歴史の中でも数々の武勇伝を残している。
五十年ほど前の、まだ世界が荒んでいて国同士が戦争を繰り返していた時代では、彼らの血筋の者が現れるとどんな不利な戦況でも覆せると信じられていた。
その時の名残でウィクトアリア家の者は英雄の一族とも呼ばれたりする。
戦争をしなくなった今でもその強さは受け継がれ、エルトリス王国最強の貴族として君臨していた。
「レアルも剣で闘う方が基本みたいだし、結構いい勝負になったりするんじゃねぇの」
「すぐに倒されることはないとは思うけど・・・・」
アイシャはシャルロットの一試合目のことを思い出す。同じ三年生であったが五分もたたずにシャルロットが勝利した。
「去年の大会優勝者は侮れないって?」
「というより、ウィクトアリア家を侮るべきではないわね。はっきり言ってあの強さは異常よ」
エテオクレス家とウィクトアリア家は古くから続く大貴族なのでそれなりに交流もある。
何年か前にアイシャはウィクトアリア家を訪問したことがった。だが、その時にはシャルロットは大人の男性五人を同時に相手にしても打ち負かしてしまうほど強かった。
歳は一つしか変わらない少女でもそれだけの実力を持っている。持っていることが当たり前の家。それは異常でしかなかった。
「お嬢様がそこまで言うのか。どんだけ強いんだよ、あの先輩は」
「さぁ、あの人の全力は見たことないから」
「それってあの先輩が強すぎて誰も本気を出させたことがないのか?」
「少なくともこの学院の中では知っている人はいないんじゃないかしら。それに彼女には・・・・」
すると、そこで試合開始の合図が出され、最後の試合が始まった。
アイシャの声は闘技場のざわめきによってかき消されてしまった。
◇◆◇◆◇◆
試合開始の合図が出された直後、鈍い金属音が鳴り響く。
対戦場ではレアルがシャルロットの剣を受け止めた状態で止まっていた。どうやら、シャルロットが試合開始直後に斬りかかったようだ。
レアルとシャルロットの距離はそれほど離れていなかったが、シャルロットの動きは速すぎだった。身構えていなかったらレアルも受け止められなかっただろう。
「お手柔らかにって頼んだはずだけど」
「大丈夫。今のは手加減してたから」
シャルロットが持っている剣を見てみると、レアルの剣に刃ではなく腹の部分が接していた。峰打ちでレアルを気絶させるつもりだったのだろう。
「いや、あの速さ全然手加減してないだろ」
「君ならついてこられると思っただけだよ。実際に反応できてるじゃないか」
「ぎりぎりだよ!」
レアルは腕に力を入れてシャルロットを押し返す。
シャルロットは何の抵抗もせずに後ろに下がって距離を取った。
「にしても、仕組みは分かっていても実際に見ると不思議なものだね。いつ出したのか全然わからなかった」
「別にちょっと補助があれば、誰だってこれくらいできるさ」
「なるほど、君は魔具を使っていたのか」
シャルロットはレアルの右手の人差し指に目を向けた。そこには紫色の魔石が埋め込まれた銀の小さな指輪をはめていた。
魔石の中でも上質なものがあり、紫色の魔石というのは上から三番目に上質なものに部類される。
「道具の性能を入れても、君の発動速度はかなりのものだ。僕より速いかも」
「そりゃ、どうも」
今度はレアルが攻撃に出た。
シャルロットほど速いとは言えないが、レアルも一瞬で距離を詰める。
レアルの攻撃に応じてシャルロットも身構えた。
今度は鈍い音ではなく金属同士が強くぶつかり合う時に出る、甲高い音が鳴り響いた。
お互い相手に近づきすぎず、剣が届くギリギリの間合いを取って剣を打ち合った。
上段から振り下ろされる剣をシャルロットは華奢な体で受け止める。
一瞬、その体のどこにそんな力があるのか疑いだくなるが、どうして受け止められているのかは分かっている。
魔法だ。
多分、風属性か火属性の魔法で身体能力を底上げしているのだろう。
こちらもいつ発動したのか分からない。
「そっちも随分魔法の発動が速いじゃないか」
「鋭いね。大抵の人は驚いてくれるんだけど」
シャルロットは相手の気づかないうちに自身に魔法をかけて動揺を誘うつもりだったようだ。確かに、シャルロットのような華奢な体の少女が自分と同じか、それ以上の腕力の持ち主だったらかなり驚くだろう。
「君はかなり闘いなれているね。同じ学生とは思えないよ」
「それはあんただって同じだろうが」
「僕が他の生徒違うのは家が少し変わってるから。でも、君は違うよね?」
「・・・何が言いたい」
「君は本当にただの平民なのかな?」
レアルは腕に力を込めてシャルロットを後ろに弾き飛ばし、会話を強制的に中断させる。
弾き飛ばされたシャルロットは問題なく着地した。
「今のは少し危なかったかな」
シャルロットは余裕を残した顔で言った。多分、そんなことは思っていないだろう。
「この学院の関係者は本当に信じることを知らないのか?」
「で、実際のところどうなんだい?」
「別に俺はただの平民だ。てかそれ以外に説明のしようがねぇよ」
「そっか。妙に闘い慣れしてるから変に勘ぐってしまったよ」
レアルが否定するとシャルロットはあっさりとそれを受け入れた。先ほどまであれだけ勘が鋭かったのは嘘のようにも思える。
それとも先ほどの会話もレアルを動揺させるためのものだったのだろうか。
いや、あれは何か確信していたはずだ。ならば、なぜあっさりと自分の間違いだと認めたのか。
レアルはシャルロットの行動の脈絡のなさを気にするが、深くは考えなかった。
今はそれよりもやるべきことがある。
「そろそろやる気になってくれたかな?」
「一応、やる気は出してたよ」
「でも、手加減してたよね」
「全力じゃなかっただけだ」
「やっぱりしてたんだ。家族以外に手加減されたのは初めてかもしれない」
シャルロットはどこか嬉しそうに答える。
「何がそんなにうれしいんだか」
そんなシャルロットの表情を見てレアルはまたため息を付きそうになる。
とはいえ、このままでは状況は変わらない。レアルには試験も含まれているのでこの辺りで実力を示さなければならない。
レアルはまた新たに魔法を発動させる。
発動したのは『基礎魔法』。魔法陣が現れない代わりにレアルの周りが微かに光る。すると、レアルを囲むように六本の剣が現れある。
「剣を増やしてどうするつもりだい?」
「もちろん、使うに決まっているだろ」
レアルがそう言った途端、地面に突き刺さっていた六本の剣が浮かび上がる。浮かび上がった剣は切先をシャルロットに向ける。
これにはさすがにシャルロットも驚いたようで目を丸くしていた。けれど、その表情はすぐに笑みに変わった。
「これはすごい。七刀流を使う相手は初めてだ」
「もう少し驚いてくれた方がよかったんだが」
ある程度予想はしていたためそれほど落胆はなかった。
「それじゃあ、行くぞ」
七本の剣を携えたレアルは再びシャルロットに向かって走りだたした。
周りに浮いている剣がレアルより先にシャルロットに向かう。
シャルロットは向かってきた剣を弾いて攻撃を防いだ。
弾かれた剣は地面に落ちるかと思われたがギリギリのところで停止してまた浮き上がる。
先行した剣が六本とも弾かれ、レアルはすれ違うようにしてシャルロットを斬りつける。
それも剣で防がれたが、すぐさま後ろに振り返り回転する力を加えながら剣を振るう。
「はあっ!!」
シャルロットは剣を振り上げ思いっきり下に向かって振り下ろした。剣がぶつかり両者とも大きく弾かれ体勢が少し崩れた。
先に持ち直したのはシャルロットの方だった。彼女はそのままレアルを切りつけようとするが上を見上げて後ろに飛んだ。
シャルロットがいた場所には六本の剣が突き刺さる。
遅れて持ち直したレアルはシャルロットに生まれた隙を見逃さなかった。
地面を大きく蹴って一気にシャルロットとの距離を詰めた。
空中から繰り出される斬撃を切り上げるようにして押し返す。
シャルロットは後ろに着地したレアルに向かって突きをを放つ。
だがそれは集まった剣の盾によって防がれる。
レアルは剣の盾の横から飛出し、低く構えた剣を上に振り上げた。
シャルロットは体を捻り回転して剣を無理やり当てることでそれを防いだ。
「今のはかなりいいと思ったんだがな」
「ああ、今のは危なかったよ」
今度は本当にそう思っているのだろう。少しだけだが焦ったような表情をしている。
二人は大きく後ろに跳んで距離を取る。だが、今度は剣を構えて見合う形となった。
「それにしても君は本当に魔力の扱いが上手いんだね」
「やっぱり、気づいたか」
予想はしていたがシャルロットはもう浮かぶ剣の正体を見破ったようだ。
「その剣の正体が『基礎魔法』だと分かっていればそれほど難しいことじゃない」
魔法の中に物を浮かせるという魔法はない。厳密に言えば、永続的に浮かせる魔法がないのだ。
風の力を使って物を飛ばすという魔法はあるがそれも違う。
ならば、なぜレアルの剣はずっと浮いていられるのかというと、物ではないからだ。
『基礎魔法』の魔力の形質化というのは魔力を物質に変えているのではなく、魔力に物の形を与えているだけ。なので、本質的には空気と同じように漂う魔力と同じものなのだ。
そして、その剣の形をした魔力はレアルの魔力なので体外に出ても霧散していないのであれば、操作することは容易だ。
「やっぱりあんたとは闘わない方がよかったかも」
「僕は君と闘えて良かったよ。ここまでできる相手は中々いないしね」
シャルロットの表情にはまだかなり余裕があるように見える。そんな顔で言われてもレアルはあまり喜べなかった。
まだ、シャルロットを追い詰めたわけではない。シャルロットははまだ本気ではないようだが、それはレアルも同じだった。今のところは互角くらいだろう。
すると、シャルロットは徐に数少ない防具である左手の手甲を外した。
「何をしている?」
「いや、この際だから君の全力を見てみたいと思ってね。でも、今までみたいに徐々にだと時間がかかっちゃうから・・・・」
手甲の中の手に填めていた手袋も脱ぎさった。
剣士とは到底思えないほど綺麗で白い手が露わになった。
けれど、その手に一つだけ気になる部分があった。シャルロットの手の甲には黄色い宝石のようなものが四つ、花の花弁を模したように埋め込まれていた。
「僕も全力でやることにしたんだ」
シャルロットの手の甲の石が輝きだす。レアルは魔法よりも強力な別の力を感じた。
「まさか、それは・・・!?」
言葉を紡ぐ前に眩い閃光がレアルを襲った。




