chapter54 合理的判断
ぼくがこれからのことを話すと、犀田さんが口を開く。
「ハッ、逃げ出すなんて本気かよ」
さっきまで蛇に睨まれた蛙のようになっていたが、落ち着いたみたいだ。
「現実的ではありませんね」
海蛇田さんが便乗するように言ってきた。
どうやら――この二人には現実が見えてないらしい。
現実を否定する二人にだれも口を挟まない。
みんな、“どうするか”考えているのだろう。
少し前まで怒り心頭だったミユキさんまで黙っている。
「ちょっといいかしら?」
カメオカさんが声を上げた。
「なんでしょう?」
言い方に違和感を覚えつつ、返事をする。
「あなたの言ったことは、理解できたわ。
でも、あなたは“この国にいるのは危険だ”と聞こえるのだけど、どういう意味かしら?」
なんだろう? この人……オネェ感がスゴイんだけど。
あ、思考がズレた。質問に答えないと。
「そうですね、そう言いました。
まず、理由としては――この国の空気感と騎士たちの態度からですかね。
小説の設定では、よくあることなんですが――」
ぼくは今まで読んできたラノベ作品のことを話した。
「なるほど――ソウヤちゃんはその前提知識で考えて動いていたのね。
なら、この国が危険と判断したのも納得だわ」
この人との会話…慣れないな。脳がバグる。
「わかってくれてよかったです」
そう言って会話を終わらせた。
ここで部長がようやく言葉を発した
「速水くんの言い分はわかった。
だが、いくらなんでも危険すぎないだろうか?」
「そうですね。危険ですよ」
ぼくは部長の言ったことに即答する。
「でも、この国にいるよりはマシです」
そう言って、ぼくはあるものを取り出した。
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