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『異世界ポン酢戦記〜味谷だし男とポン酢の女神〜』  作者: 二天堂 昔


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9/10

第5話「恋と甘酢とカオスの都フルーナ!」

到着早々、だし男は目を疑った。


「おいポンヌ……この街、なんかおかしくないか……?」


「ようやく気づいた?」


目の前に広がる街――フルーナは、

伝統ある“恋と甘酢の聖地”のはずだった。


だが今そこにあったのは――


・街の門に立つ金の像《初代恋将軍・ドロドロ様》

・路地のあちこちに掲げられた《恋愛指南標語》(例:「甘酢の味は距離感!」)

・お見合い屋台が並ぶ“恋の横丁”

・告白失敗者の涙を集めて作った《失恋ドレッシング博物館》


「えっ……なにこれ? 恋の町って、もっと……こう、情緒とか静謐さとか……」


「ここはね、“恋に失敗した人々が作った、リベンジ型恋愛都市”よ」


「背景がエグい!」


そのとき、白馬に乗った市長らしき男が現れる。


「おお、ポン酢の女神ポンヌ様! そして味谷だし男殿!」


「え、俺知られてるの!? なんで!?」


「《大恋愛神酢祭》の特別ゲストとしてお招き申しておりました!」


「出たよ、異世界名物“勝手に祭りに巻き込まれるイベント”!」


ポンヌ(心の声):

(……この街、想像の5倍は頭が悪い。いい意味で)


市長が続ける。


「今夜は《神酢婚活バトル》! 勝ち抜いた者には“伝説の恋酢”が授けられる!」


「いや、伝説の恋酢って何!? 味が伝説なの!? 効果が伝説なの!?」


「安心して。だいたい両方よ」


「ポンヌ、お前もツッコミ慣れしすぎじゃない!?」


だし男は混乱しながらも、街の熱気に飲まれていく。


恋の都、フルーナ――

かつては誰かが恋に敗れ、それでも誰かが立ち上がって作った街。


誰もが恋に傷つきながら、笑ってそれを乗り越えようとする、ちょっとおかしな、でも妙にあたたかい場所。


ポンヌ(心の声):

(……もしかしたら、この街のどこかで、だし男が“本当に帰りたくない”と思う何かを見つけるかもしれない)

(それが“私”だったら……どうしよう)


だし男がふと、甘酢の香る風に顔を向けた。


「……なんかさ、ツッコミまくってるけど……」


「うん」


「こういうのも、悪くないな」


「……へぇ?」


ポンヌ(心の声):

(……ずるいよ、そういうの)


――夜が近づき、神酢婚活バトルの幕が開く。


街は光に包まれ、恋とツッコミと甘酢が、はじけるように交錯する。


☆次回予告:だし男が強制参加させられる《神酢婚活バトル》開幕です!お楽しみに!


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