表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『異世界ポン酢戦記〜味谷だし男とポン酢の女神〜』  作者: 二天堂 昔


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/10

第4.5話 夜の番外編 「甘酸っぱいって、こういうことか」

夜の森。フルーナへ向かう途中の野営地。


焚き火の光が揺れている。

虫の音と風の音のなか、ふたりは静かにスープを啜っていた。


「……だし男」


「ん?」


「さっきの、ユズレ村のおばあさんの話。……“恋の街”って」


「うん」


「……怖くないの?」


「……正直、めっちゃ怖い」


「え?」


「だって、恋とか……誰かのことちゃんと想うとか……俺、得意じゃないし」

「……それに、想うだけじゃ、報われないこともあるでしょ?」


ポンヌ(心の声)

(わかる。私も、わかる……)

(だし男、あなた……そんなこと、いつもはふざけてごまかすのに)


「でも、逃げないよ。だって――」


「“神酢は想いの味”。でしょ?」


「……さすが、ポン酢の女神」


「ふふん。あたりまえよ」


沈黙。風が、火を揺らす。


そして、ぽつりとポンヌが言った。


 


「……ねぇ、だし男」


「なに?」


「もし……もしよ? “恋”ってものが、神酢より大事だったら……どうする?」


「え?」


「その人と一緒にいたら、帰れなくなるとしたら……それでも、そばにいたいって思う?」


だし男(心の声)

(な、なにその質問……! え、なに?これ、今、テスト? 心理戦?)

(てか、ポンヌが何考えてるのか、読めない! 女神ってずるい……!)


だし男は、火を見ながら、ちょっとだけ真剣な顔をした。


「……もしそうなら、迷うけど……きっと、ちゃんと答えを出すよ」


「……そっか」


ポンヌ(心の声)

(ずるい。ずるいよ、だし男……)

(そんな言い方されたら、ちょっと……期待しちゃうじゃない)


その夜。ポンヌは少しだけ、だし男のそばに座った。


ほんの少し、近く。

でも、それ以上は近づかない。まだ。


まだ、神酢の旅は終わっていないから。


☆次回予告: 道中の寄り道で出会う誰かの“想い”が、だし男とポンヌの心を揺らすエピソード!

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ