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笛が鳴った。だが、両者ともに足を動かさない。ヴィタニーは私のことをずっと見ながら剣の上に手をかざす。黄色い魔法陣が現れ、剣を黄金に輝かせた。それが収まると、剣は雷に包まれた剣へと進化する。


「見たか!家系秘伝のライトニングソードの輝きをっっ!」


バチバチと剣の周りを雷が駆け上がっている。あれが私に当たると、きっと体が麻痺する。


...当たれば、だけど。


私も同じように剣に手をかざした。そして同じ魔法陣を浮かばせる。ボッと青い炎が私の剣を包み込んだ。「おお!」と観客が驚く。


「お、おい...なんだそれは!」


「ファイアーソードだけど」


彼がライトニングソードと名付けるなら私はファイアーだ。


「そんなもの聞いたこともない!!なんなんだ、それは!」


「だから、君の技を応用したファイアーソードだって」


何回言わせたいんだ、このヴィタニーというやつは。


「っ!そんな簡単に応用させてたまるものかっ!」


怒りに制御されているヴィタニーは猛突進してくる。真正面からくる、単純な攻撃だ。それを避けるのはたやすく、一歩横にずれると、ヴィタニーは空振りをした。だが、それでも腕にピリッとした違和感が走る。


「...」


まるで雷の小さい一部が当たったかのような、そんな感じがした。


「よけたか。まあいい...そろそろ動けなくなる頃だろ?」


ニヤリと勝利の笑みを私に見せた。


私は無心で雷が当たったところをパンパンと二回叩いた。すると、そこにこびりついていた小さな雷たちが叩き消える。それを見たヴィタニーが口をあんぐりとだらしなく開けていた。


あり得ない、と思っていることが明確にわかる。私はゆっくりと息を吐くと、彼の方を向いた。


「もう終わり?」


ヴィタニーは舌打ちをすると、ゆっくりと剣を構え直した。


彼はここで負けられない。ここの観客の全員が彼を見に来ていると言っても過言ではないほど彼は人気なのだ。ここで小さな女性に敗れるわけにはいかない。彼の評判がぐんと下がるからだ。だが、この状況の厳しさは彼も十分理解していた。彼が勝てる可能性はごくわずか。それにかけるしかない。


ヴィタニーはギュッと剣の握りを強くした。


「う、うおぉぉぉおおぉぉぉ!!」


今度はジグザグに私に向かってくる。そして左手から雷を出し、右手に剣を持って同時に攻撃を仕掛けた。まず先に雷で私の腕に当ててくる。ピリッと痛みがしたが、動けないほどではないので次に来る剣の動きを私も持っている剣で止めた。そして下から駆け上がってくる蹴りをもう一つの空いている手で止める。


「これも読んだか!」


実際、読んではない。ただの反射神経だ。


ヴィタニーは遠くへ飛び、体勢を構える。次に行動したのは私だった。ただただ一直線に進み、一気に彼の腹を狙う。当たる前に横にいくフェイントをかけた。


「何っ!」


それに引っかかってくれた彼は、呆気なく私にやられてしまう。


「ぐはっ...」


バタンと地面に倒れていくヴィタニーを見て、私は緊張を解いた。


「...雷は少し痛かったよ」


あの雷は地味な嫌がらせ程度にムカついた。あれをたくさんやられたらキレたかも。


「勝者、アーシェ!」



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