↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
21/112

モテモテ21



 翌日。


 残念ながら朝から何もできなかった。やる気はあったけど、如何せん優しさを発揮できる場面がなかった。


 このままではダメだと数学の授業中に作戦を考えてるというわけなのだが、何も思いつかぬままもう四十分が経った。


 放課後までにノーアピールの可能性もあるんじゃないかと頭を悩ませている。


 次の休み時間にどうにか困ってる人を探さねばと、意気込んでいると白い塊が俺の前に転がって来るではないか。


 ーーこれは、消しゴムじゃないのか? 誰が落としたんだろう。


 椅子を静かに後ろへと下げ手を伸ばして拾う。消しゴムを見ると、英語で名前が書かれてある。それを読むと、飾霧ノアと書いてあった。


 高校生にもなって文房具に名前を書いているのか!


 まぁ、無くさないためには書いた方がいいと思うけど、それでも普通は書かない。


 飾霧は気付いてないようだけど渡していい? いくらなんでも見ただけで何かあるとかないよな?


 しかも一番アピールしなくていいやつにアピールする形になったんだけど、仕方ないから渡すか。


「飾霧様。これ」


 小声で投げかけると冷たい視線で反応されたが、消しゴムを見た途端にすかさず俺の手から消しゴムを奪い取り無言で前に向き直った。


 物を拾ってあげただけなのにすごい怖かったよ。理不尽にもほどがある。


 結果的に、優しさを売ったってよりも飾霧は自分のモノに名前を書くという誰得な情報を入手しただけになった。


 次の休み時間で挽回だ!


 今は四限目の科学が終わり科学室から教室に帰る途中。ここまでの優しさアピールは皆無だった。一つあったような気がするが気にしないでおこう。


 なぜなら一限が終わった時に飾霧が「忘れなさい」と一言。なので忘れることにした。怖いとかじゃなくて単に覚えていたくもないからだ。


 嫌なら最初から書かなければいいのに、そしたら誰にもバレないだろうに。


 あいつ本当は馬鹿なんじゃないの? とか思ったりしたが言えるわけもなく、心の中に秘めておくことにした。


 そのお馬鹿さんはというと、今度は科学室に教科書を忘れたんだ。というより終わった直後に駆け足で教室を出る時に落としたらしい。意外に天然さんなのかもしれない。


 それを拾ったのが俺ってわけだ。なんでわかるのかって? 名前が書いてあるしな。


 教科書に名前を書くのは学生として基本だが、お洒落な筆記体で書いてあるもんだから解読するのが大変だった。


 俺も馬鹿じゃないので頑張ればこれくらいは読める。


 それより俺は何故あいつの好感度上げているのだろう。


 しかも昨日言っていたことがデジャヴってるし。最早自演の疑いまであるが、次は図書室で具体的な事が起きる予定。


 先が思いやられるけどこれを返したら昼飯だ。まずは昼飯をたらふく食う事にしよう。


 涼太は学級委員の用事で先に戻った。俺は一人寂しくぼっち飯ってわけだ。


 教室に着き自分の席に向かい教科書や筆箱をしまい、いざ食堂へ。


 飾霧はいつも通りいなかったので飯が優先だ。


 今日もカレーだ。俺は二日に一回カレーを食べないと死んでしまうという恐ろしい病に患っているという設定なので、嫌でもカレーを食べないといけない。嫌じゃないけどね。めっちゃカレー好きだからね。


 小学生の頃とか給食がカレーの日はお代わりするために、常に一番に食べ終わっていたからね。


 俺のカレーへの熱い気持ちを伝えたせいか、今すぐカレーが食べたくなり競歩にシフトチェンジ。


 競歩独特の歩きで学食へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。