モテモテ14
「俺はどうしたらいいんだああああああああああああ!」
部屋に散乱する洋服。その中心で両膝をガクッと落とし、手を広げながら天井に向いて愛を叫んだ。違った、絶望を叫んだ。
母ちゃんから「うるさい」と一言。俺は静まりかえり、呆然と天井を見上げしみじみと呟く。
「当たるのかよ……」
悪い予感的中! やっぱりこうなるのか、わかってはいたけどね。
それにしても今まで女子と出かけたことすらない(母ちゃんは除く)の俺が、いきなり二人っきりで買い物ってどうしたらいいんだ。
特に服とかどうしたらいいんだよ……
今にもあの言葉がよみがえる。「ダサいのは顔を見ればわかるわ」どうにかあいつをギャフンと言わせたい。
だが、もうかれこれ二時間以上もこうしている。すでに時刻は午後九時。
どうにかこの状況を切り抜ける手段。そう、最強の一手を………………
「あ、あった!」
イケメンの親友が俺にはいるじゃないか。なぜ今まで気づかなかったんだ。
こうしちゃおれん、電話だ電話。
服に埋もれていたスマホを手に取り。涼太に慌てて電話をかける。すると、すぐに繋がった。
「もしもし! イケメンですか!」
『その問はおかしいと思うぞ』
爽やかボイスを確認。
「その声はイケメンに間違いないな。実は相談がある」
『ツッコむのも面倒だからスルーさせてもらうわ。それで、なんだ?』
「いやな。明日女子と買い物するんだが服が決まらなくてな」
『そういうことか、それじゃいまーー』
言葉を遮り怒鳴りつける。
「おい! 流すんじゃねぇよ。今すごい爆弾発言あったろ」
『そうか? そんなのあったか?』
「しらばっくれるんじゃねぇぞ。めっちゃあったぞ。すげーのあった!」
『それは悪かった。そんで服の事だっけ?』
こいつどんだけ俺に興味ないんだよ。女だぞ女! しかも買い物だぞ! まさか、母ちゃんと勘違いしてるとかないよな。
「母ちゃんとーー」
『それはない』
即答かよ。しかもこの流れでわかんのかよ。イケメン怖いわ。
「そうか、ならいい。それで服のことなんだが」
『それじゃあ、今行くから待ってろ。じゃあな』
「おい。待て! 切れてるしよー。てかいちいち来てくれんのかよ。神か!」
スマホに向かって無言で土下座した。




