表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/40

第39話 八つ目の生存印

鏡は割れなかった。代わりに、檻みたいな表示を吐き出した。


【相互非競合誓約 確認】

【処刑分岐 外縁凍結】

【継承干渉機関 管理者未特定】


 そして白い光が、エルザの名へ流れ込む。


【宮廷学者ルート死亡フラグ 一件解除】

【生存印《書架の百合》を獲得しました】


 八つ目の印だ。


 手の甲へ重なった百合紋を見て、私はようやく息を吐いた。全部終わったわけではない。でも、少なくとも“誰か一人が死ぬことで話が進む”段階は越えた。


「管理者未特定、ね」


 クラリスが忌々しげに呟く。


「内務府か、継承院か、あるいはその両方」


「もう一つあります」


 エルザが焼け残った台本を開いた。


「次の章に“暗殺メイド長”の投入予定が記されています。円卓そのものを内側から壊すための駒です」


 ヴィオラが笑う。


「楽しそうじゃない」


「全然楽しくないわよ」


 ナディアが肩をすくめ、セレーネは剣の柄を叩く。ミレイユは静かに祈り、サフィアは月紋の瓶を指で回す。


 皆がいる。それだけで、以前の私なら信じられないほど心強い。


「なら先にこちらから宣言しましょう」


 私は誓約書を持ち上げた。


「女を競わせて統治する時代は終わり。今度は、女たちが連帯して制度を選ぶ」


 鏡の檻表示が、ほんの少しだけ薄くなる。


 覇道ルートはまだ途中だ。けれど今の私は、もう一人で処刑台へ歩いていく女公爵ではない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ