表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の生きる道  作者: 高山 龍
第1章 世界のはじまり
16/17

第1話 同期の桜


 藤井は自宅の窓から外を眺めていた。見える範囲でも、十数体のゾンビが徘徊している。


 電気が緊急事態宣言から2カ月がたっていた。1か月前からは電気も点かなくなり、携帯電話も使えない状態となっている。


 緊急事態宣言から3週間が経過した頃に、政府が真実を発表した。国民は食料が底を尽き始めていたのも重なり、パニックとなって皆が家から出てしまった。ウイルスは想像以上のスピードで広がっていった。しかし、テレビも携帯電話も使えない今は外の世界を知るすべがない。


 藤井は静かに状況を見ていたが、人のいなくなった近隣から集めた食料も底を尽き始めていた。それよりも東京に行った子供たちが心配であった。


「もうこうしてはいられない。ここを出て東京に向かおう。」


 独り言を言っていると、外から突然ドカーンという衝撃音がした。


 車が電柱に激突していた。中には人が見える。そこに十数体のゾンビが群がり始めた。藤井はただ見ていることしかできなかった。


 そこに2台のバイクが現れた。


 バイクに乗っていた者は拳銃のようなものを取り出し、至近距離からゾンビの頭部に向かって、素早く拳銃を打ち込んだ。銃弾を撃ち込まれたゾンビは次々に倒れていった。


 その様子を見ていた藤井は、次の瞬間、家から飛び出していた。


 走って事故の現場に着くと、ヘルメットを被ったままの男の一人が車から家族を救出しており、もう一人がまだ近くにいるゾンビに拳銃を打ち込んでいた。


「大丈夫ですか!! 近くにある家に避難させましょう!!」


 藤井がヘルメットの男に言うと、こちらに向かって拳銃を向けてきた。


「え!!!!!!」


 次の瞬間、藤井は撃たれた......







 藤井の後ろから、何かが倒れる音がした。振り向くとゾンビが倒れていた。


 ヘルメットの男が藤井に向かって、


「救助を手伝ってほしい。この人たちをどこかに避難させてくれ。」


 そう言ったあと、もう一人の男が叫んでいた。


「泉係長!! 早くしてください!! 奥の方からまたゾンビが近づいてきています!!」


 藤井は、『泉係長』という言葉を聞いて、すぐに同期の泉だと分かった。


「泉!! 俺だよ!! 藤井だ!!」


「おー!!!!!! 何してんだよ!! そうと分かれば早く手伝ってくれ!!」


 事故を起こした車には高齢の夫婦が乗っていた。怪我はしているが、歩けそうだったのでその夫婦の手を引き、泉ともう一人の男と共に、藤井の自宅のアパートに連れて行った。


 高齢の夫婦をソファに座らせた。泉ともう一人の男はキッチンのところで煙草を吸っている。


「藤井、久しぶりだな。こんなところで会うなんてな。」


「うっす!! 私、内田と言います!! 藤井さんに会えるなんて光栄です!!」


 内田は目を輝かせ、こちらを見ている。


「泉。俺のこと、なんか言ったのか?」


「おうよ。同期の出世頭の優秀な機動隊小隊長だって話していたよ。」


「やめてくれよ。お前と違って、俺は楯もって走ることしかできない奴だったよ。」


 藤井がそう言ったとき、泉は胸から拳銃を取り出し、藤井に渡した。


「そうだ。お前もこれを持っていた方が良いな。使えるだろ?」


「たぶんな。もう何年も使ってないけどな。」


 久々に人と話した。それも同期の泉とこんなところで会うなんて。



 しかし、これは始まりに過ぎなかった......





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 続きはどうなっていますか?エタりました?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ