スキルとテンプレ
森だ、周りを見渡して見てもう一度、森だ。
あいつちゃんと分かってたんだな、と、お、そうだ、外見の確認しないとな、めちゃくちゃブサイクだったら立ち直れないぞ…!
そう思い川を探して歩き始めようとして…
ーグワァン
「あああああああああああああ!」
とてつもない痛みが頭を襲った。
なんだよこれ!なんだよこれ!あまりの痛さにその場で蹲る。その痛みは数秒続き、やがておさまった。
「なんだよこれ、こんなこと言ってなかっただろ」
デジャブを感じるが気にしないことにした。
少しして違和感に気づいた、この森の名前が分かるのだ。
ーータフォジャの森ーー
タフォジャの森?この森の名前か?しかし、どうしていきなり…?少し考えてあいつのイタズラだろうと決めつけ、考えるのをやめた。
しかし、森の名前が分かるのは助かるな、、助かるのか?正直どうでもいい気がするが、まぁいいか。
当初の目的だった川を探すことにした。探している間に、スキルのことについて考える。
空間系のスキルって頼んだからなぁ、めんどくさがらずにちゃんと考えた方が良かったか?それにしても空間系ってなにが出来るんだ?
ちょっと後悔しながらスキルについて考えていると。
ふむ、あれ?ステータス?なんだこれ?
なぜか頭の中で、ステータスと言えばいい気がする、なんだこれは、気持ち悪い。
多少の不快感を感じつつもそれを口にする。
「ステータス」
ーウィン
すると、目の前に透明な板のようなものが現れた。
名前 ・【⠀】
性別 ・男
Age ・24
状態 ・健康
スキル
空間魔法
空間魔術
空間把握
収納
ユニーク
残り5:00:00
へぇ、色々つっこみたいけど、上から行くか、まずは名前空欄になってる事か、これは1度死んで体を新しく作り直したからか?一応タップしてみたら入力出来るっぽいし後ででいいか。
んで、次は空間魔法と空間魔術の違いってなんだ?考えてもわからんな、次行くか。
ユニーク?これがあいつの言ってたこっちに来てから発現するってやつか、残り5時間?準備中ってことか?まぁなんでもいい、とりあえず魔王とかにならなければ…ん?
スキルを見ていたら収納の右端になにか丸がついている。
なんだこれ?
タップしてみる。
すると、
所持一覧
手紙
手紙?なんだこれ、そしてさらに手紙をタップする、すると、目の前に手紙が具現化された。
ーシュン
「っと、なになに?」
ーー
やぁ!僕だよ!え?誰かって?やだなーもう!忘れちゃったの?神様だよー!無事に転生出来たみたいだね!
え?転生してすぐの頭痛は何かって?そんなの僕からのサプライズだよ!どうだった?痺れたでしょ!その世界の常識をその体にインストールさせてたんだけど!便利でしょ?
体の調子はどうだい?君にどんなユニークな個性が発現したのかは分からないけど!いろいろ頑張ってみなよ!
P.S
ときどき見るから僕を楽しませてよ!
ーー
やっぱりあの頭痛はあいつのせいか!確かに便利なのが憎いな…。
ユニークスキルはあいつを1発殴れるような強力なのが発現することを願うばかりだ。
しかも、ときどき見るだと?プライバシーがねーじゃねーか!チッ、イライラしてきたな。
まぁいいか、しかし川が見つからないな…どうするか。
…この空間把握のスキル使えないか?
そう思いスキルを発動させる。使い方は自然と分かる、この世界の常識がインストールされているのは本当みたいだな…本当に便利で恨めしい。
スキルを発動させた瞬間周りの情報が一気に頭に叩きつけられる。
「あああああああああああ!」
最近になってよく叫ぶなぁ。強烈な痛みを感じながら関係ないことを考える、頭痛のし過ぎで慣れたのかもしれない。
やがて痛みはおさまり空間把握から得られる情報の意識を向けることが出来るようになる。
へぇ、どれくらいの範囲を把握することが出来たのかは感覚でしかわからないが、だいたい半径100mくらいか?この範囲に川は無いみたいだな。
川は見つけられなかったが洞窟があるのが分かった。その洞窟の中に動く物体があることも確認できた。
近くに動物の反応はないみたいだな、まぁ、あれだけ叫んだら警戒もするか。
俺は川を見つけるのを一旦中断し洞窟に向かうことにした。
洞窟に向かう間、空間把握のスキルは発動したままだ、幸いにもあの頭痛は襲ってこない、俺を起点として居るようで範囲も徐々に動いている。
すると、洞窟のさらに奥に何やら気配を感じる、なんだこれ?と思い意識を集中させていると、いきなり右目が真っ暗になり、見下ろすような感じで馬車を発見する。鎧を着た男3人がオオカミに襲われていた。
あれは、オオカミの群れか?ファンタジーのお約束みたいな展開だな。それより、空間把握のスキル内なら意識を集中させることで、目を飛ばすことが出来るのか、なら、耳なんかも飛ばすことが出来るんじゃないか?
思ったことを直ぐに実践してみる、聞きたいと念じながら意識を集中させる、すると、声が聞こえてきた。
「お前達!ナディアお嬢様をお守りするんだ!」
「「おおおおおおおおおおお!」」
士気は十分のようだ、善戦をしてはいるが、しかし、オオカミの群れは思った以上に大きかった。
オオカミの群れを倒し切った3人は疲労困憊といった風に座り込んでしまった。
「ようやく終わりましたの!?ギャンギャンうるさくて落ち着けませんでしたわ!」
うわ、高圧的なお嬢さまが出てきた。あれには関わらないでおこうか。
3人の戦闘も終わり、また洞窟に向かう準備を、と思い始めた頃、おかしなことに気づく。
洞窟の方から生き物が馬車の方に向かっているな、さっきのオオカミの群れには劣るが結構な数だ、あいつら大丈夫か?
自分の周りを確認してから、また馬車の方に意識を集中させる。
…随分と苦戦してるな、あれは、ゴブリンか?
ゴブリンって言ったらファンタジーでは雑魚キャラ扱いのはずだが、、この世界でも、それは間違いではないみたいだな。
インストールされた常識で事実確認を行なっていたところ、ゴブリンの魔法が鎧の1人に命中しそのまま動かなくなった。
「た、隊長!!」
隊員であろう男が隊長に意識を向けた、その隙を相手が身のはず訳もなくそのまま倒されてしまう。残る1人も数に押し込めされ、倒された。
あーあ、あのお嬢さまも殺られるな、俺には関係の無いことだ。そもそも俺はこの世界に生まれてまだ数時間なんだ、ん?そう考えるとステータスに24って書かれてたのはなんだ?魂の年齢とかあるのかもしれないな。
関係の無いことを考えているとお嬢様が馬車から運び出されている所だった。
頭から血が流れているな、抵抗したところを無力化されたか。俺には関係無いけどな。
…それにしても気掛かりだな、この世界のゴブリンは雑魚のはずだ、見るからにお嬢さましてる奴の護衛なんだ、少しは腕がたつはずだ、確かにオオカミとの戦いで疲弊していたかもしれないが、それにしてはあっさりやられすぎだ。常識の中にも魔法を使うゴブリンの事はない。ということはイレギュラーな存在なのだろう。
気が変わった、あの女を助ける訳では無いが、あのイレギュラーと戦ってみたくなった
戦う力はないが、なぜか負けないという確信がある、そして何より好奇心が勝っている。ついでだ、あの女にここで恩を売っておくのもいいだろう。
…あの女に恩を期待するのも無駄だとは思うが、せっかくだ、自分の力がどれくらいなのかこいつらで実験するとしよう。
「面白くなってきた…!」




