第71話:訪れる超現実あるいは覚醒した友人
「レイ様…レイ様!」
「う~ん、何よバロ、私今から生クリームへ
ダイブするのに」
「レイ様、何をおっしゃられてるのでしょうか?
そろそろ夕食のお時間です。
起床して召し上がってください」
「起床…?
…
あれ?、私の生クリーム?ケーキは何処?」
あたりを見渡してみてもお菓子のおの字も見当たらない…
しばらく、考えてから…はっとなる。
「えっ?私寝てた?いつから?宿題は?」
やっと回転をし始めた頭で現状の確認をする。
居間の部屋で、サキとチカも横たわって寝ていた。
「ムニャムニャ…チョコレート最高かよ…」
サキが寝言を言っているっていうか
夢がリンクしてる!?
ま、まあ偶然よね…そんなことより…
私は居間の壁に掛けてある古めかしい時計
おじいちゃんの古時計を見て時間を確認する。
「19時…35分…」
やってしまった…
おそらく、お昼ご飯を食べて満腹になって
そのまま寝てしまったのだ。
…考えてみたらさっき見た夢も現実的に
あり得ないだろう…
先ほどみた夢を思い返し恥ずかしさがこみあげてきた。
「バロ!なんで起こしてくれなかったのよ!
夏休みの課題をやるって知っていたでしょ!」
「いえレイ様、とても気持ちよさそうに
寝ておりましたので…」
「気持ちよさそうにって…私はともかく
サキの為の勉強会だったのよ!
そういうのも管理するのも執事じゃないの!」
「そうは言いましてもレイ様、
寝る、起きるなどは大人として自分自身で
管理するべきことではないでしょうか?」
…
このAI執事が正論を返してくる…
そうなんだけど、まさに、そうなんだけど…
とにかく、サキとチカを起こさないと
「サキ!、起きて!
チカも、もう夜だよ!起きて!」
ゆさゆさとサキをゆすって起こそうとする
サキはゆっくり目を開けると満面の笑みを私に向けた
「あっうらら~
うららも一緒に食べようよ~
このプール、ぜんぶチョコレートだよ~」
「…」
リンクはしてなかった…
私が見ていた夢とは若干違っていた
当たり前か…
寝ぼけるサキをさらにゆすって覚醒を促す。
「うららもチョコまみれになってておいしそう~
たべちゃおう~
いただきま~す」
「ちょっと!サキ、食べないで!
私の事をなめようとしないで!早く起きて!」
私の顔に向かって舌を出してくるサキをさらに
揺さぶって強制的に起こしにかかる。
そのかいあってすんでのところでサキが起床する。
「ん~?、うらら~?
もしかして今の夢~?寝てたの~?
おはよ~」
ふぅ、危ないところだった…
サキの事は親友で大好きだけどさすがの私も
そんな趣味はないから助かった…って
「チカ!いつの間に起きてたの!?
って、なんでスマホで撮影してるの!?」
「うらら、おはよう、
動画にと記録しないとと思って…」
いつの間にか起きていたチカが、スマホを構えて
私とサキのやり取りを撮っていた。
「いらないから!
そんな記録ひつようないから!」
「ご安心ください、チカ様
一部始終私の方の高画質カメラですべてを
記録、保管済みで御座います」
「バロ!おまえもか!?」
夏休みの課題…
主にサキの課題をやらなくてはいけないのに
非情にも時間だけが刻々と過ぎていった…




