第66話:堅牢な自宅あるいは甘やかされる孫
「とはいえ、レイ様
本来ミサイルが発射されたとしても
ガソタムを出撃させる必要はないのです」
「へっ?なんで?
バロ、何かにつけてガソタムを動かそうと
画策していたじゃない?」
迎撃訓練を前にバロが説明に入る
今までさんざん、出撃をほのめかしていたくせに
ここにきて、どういうつもりだろう?
「レイ様、極端な話、ミサイルが
この家にピンポイントで落ちてきたとしても
特殊合金で作られたこの家を
破壊することはできません」
「でた!特殊合金!」
「はい、つまり、レイ様がこの家にいる限り
100%安全なので御座います
ご心配でしたらガソタムに搭乗していれば
レイ様の命が脅かされることは無いでしょう」
「ちょっとまってよバロ!
私は無事だとしても、この家にミサイルが
落ちてきたら、他の人はどうなるのよ?」
この家が頑丈なのはバロが前に説明してくれて
よくわかっている。
放置していても10万年朽ちないというとんでもない
素材でできた家だ。
多分ミサイル程度では壊れないのだろう。
でも、街の…他の人は…
「レイ様、私にとってレイ様の生命が第一優先です。
さらに、ガソタムの飛行能力はマッハ2を出せますが
マッハ2を出すまでの重圧はレイ様にとって
かなりの負担になります」
「重圧?どれぐらい?」
「加速時にレイ様の体におよそ2.5Gの負荷が
かかると思われます。
およそ120㎏…
お相撲さんが上に乗っかってきた感じでしょうか」
お相撲さん…
いや、今までの人生でお相撲さんに
乗っかられたことは無いからいまいちピンとこないけど
「シミュレーションでもそのGは再現はしておりますが、
本番環境での重圧ほどではございません。
さすがにそこまでは再現できませんでした」
ごくりと息をのむ…
「とはいえ家にこもっているか出撃するのかは
レイ様の判断次第で御座います。
どっちにしろ家でもガソタムでもミサイルごときでは
レイ様の命に危険性はありませんので」
「バロ!だから、私以外の人の事も考えてよ!
危険がせまったらほっとけないじゃない!」
「だから、今までミサイルが発射されたときに
先んじてガソタムで国を滅ぼしましょうかと提案
させて頂いたのです」
「ああ、なるほど!
北夜国を滅ぼしたら日本にミサイルが撃ち込まれる
ことは無くなるもんねって、出来るわけないでしょ!?」
バロの提案…
いくら相手国が悪さをしたとしても
いきなり滅ぼすとか先制攻撃をするなんて
さすがに世論が許さない…
これが、ゲームとかだったら
そういう選択も気楽なんだけどな…
「さて、そろそろ訓練を再開いたしましょう」
バロから訓練再開を促され私は操縦レバーを
握り締め、ため息交じりで訓練を再開させた…




