第59話:日本の防衛力低下あるいは楽観的な思考
「レイ様この発表は大変なことです」
バロが真剣な面持ちで私に言ってくる。
ぶっちゃけ、さっきの防衛大臣の言っていることは
なんか、すごいことになるんだろうなって認識はあるが
細かいところはわからない。
「何が大変なの?
日米が協力して防衛を強化するって話じゃないの?」
「そういうことではありません。
ミサイルがグアム近海に落ちたことで
アメリカが日本に圧力をかけたのだと思われます。
ミサイルがグアムに飛んで来たときに確実に迎撃する為
日本のイージス艦を貸せと言ってきたんだと…」
「迎撃?イージス艦?」
「はい、日本へ弾道ミサイルが飛んで来たとき
それを迎撃するために、海上自衛隊がイージス艦を
配備しているのでございます。
それを、グアムへ行かせるとなると日本の防衛力は
低下するのは目に見えております」
弾道ミサイル?迎撃?
普段聞くことがない単語をならべられ
思わず生唾を飲み込んだ。
「ミサイルの迎撃にはイージス艦以外にも
航空自衛隊がPAC-3という兵器を
配備しておりますが…
そのPAC-3の有効範囲は約20km…
主要都市しか守れないのが現状です」
PAC-3…また知らない単語がでてきた…
「さらにこれもアメリカからの圧力だと思われますが
共同で経済制裁を行うと…
これを逆恨みされて
イージス艦が離れて無防備なところを
報復攻撃されたら日本は終わりです」
バロが語る最悪なシナリオ…
いやいやいや、日本もそんな無防備な状態を
長く続けるわけないじゃない。
日本の偉い人が色々対策してくれるはずよ、
「レイ様、万が一のためにガソタムに
高速飛行ユニットを緊急装備及びメンテナンスを
行います。
レイ様には普段の訓練に加えて飛行中での
弾道ミサイル迎撃シミュレーションを訓練して
いただきます」
「いや、待ってよ!
いくらガソタムだって飛んでくるミサイルを
うち落とせるわけないじゃない!
ってかガソタムは絶対に起動しないって
言ってるでしょ!」
「万が一の為でございます。
大切な物を守れなかったらレイ様…
後悔はしたくないでしょ?」
後悔、後悔はしたくないけど…
それでも…
まあ、日本の防衛が機能していればガソタムを
動かす必要はないだろうし、
普通、東京とかを狙ってくるはずだろうし
そしたらさっきバロが言っていたPA…なんだっけ?
それで迎撃できるのよね?
バロの脅迫じみた語りを
楽観的な思惑でかき消そうとする。
大丈夫、大丈夫、ガソタムは動かさなくても問題ないわ
けど一応…
シミュレーションは受けておこうかな…うん




