第56話:バロのごまかしあるいは過去の暴露話
「あなたがバロさんね、源造さんが作った…
お会いできてうれしいわ」
「ハイ、コウエイデス」
あ、バロはそのしゃべり方を続けるんだ…
九条さんはバロが用意したお茶を一口飲み
「あら、このお茶の味、
昔、源造さんに入れてもらった味と同じだわ
温度も、香りも私の好みにピッタリな」
「ソ、ソレハゲンゾウサマのデータガインプット
サレテイルタメデショウ」
「うふふ、当時、源造さんはいつも
私にお茶を淹れてくれてた事、思い出したわ」
九条さんは思い出を味わうようにそのお茶を楽しんでいる
「源造さんはね当時、ことあるごとに
私の気を引こうと色々やっていたのよ」
「えっ!?ラブ?オフィスラブってやつですか?」
私の脳内に「キュピーン‼」と音が鳴ったような
感覚を覚え、思わず身を乗り出す!
しょうがないじゃない!女の子だもん!女子高生だもん!
「あの時は…そう、自作の【愛のポエム生成プログラム】
なんてものを開発してたかしら…
完成してから毎日私にポエムを送ってきたわ」
【愛のポエム生成プログラム】?
何?その独自性の高そうなプログラム?
「他にも、自分の声をイケメンに変える
イケメン声紋変換機って物を作って内線電話で
毎日私に電話してくれたわ」
イケメン声紋変換機?
う~ん、おじいちゃんのセンスって…
私は大丈夫よね?おじいちゃんのセンス
受け継いでないよね?センスあるよね?
「く、九条さま、昔話はそろそろ終わりにして
他の話など…」
「あれ?バロ、口調が普通になってるよ?」
昔の話を暴露されたことにより耐えかねたのか、
バロが普通の口調に戻っていた。
まあ、確かに中身がおじいちゃんなら昔の恋バナとか
恥ずかしくって黙ってはいられないだろう。
しかし、九条さんは止まらない。
「いいじゃない、あっ、そうそう
源造さんったら、自分の体をかっこよくしようとして
『低周波・自動負荷ギプス』を開発して
自分で装着したら、ぷっ、ふ、ふ、
ふ、負荷が強すぎて反対側に折れ曲がって、ッぷ、
救急、きゅ、救急車を呼んで、救急隊員が…っぷ」
「九条さま、お茶のおかわりお持ちしました!
他に私特製のケーキとかいかがですか?
あっあと、宜しければ夕食も召し上がっていって
ください。
何かリクエストがあれば…」
「バロ!うるさい!九条さんの話聞こえないじゃない!
九条さん、それで救急隊員がどうしたんですか?」
「折れ曲がった源造さんを見て、きゅ、救急隊員が、ぷ、ぷ」
「レイ様!レイ様!今晩のご夕食に関してご相談が」
「そんなの後にして! 九条さんそれで?」
《レイ様、それ以上源造さまを辱めるのでしたら
全力でガソタムの事を世界に広めますよ》
「いきなり脅迫?」
バロから骨伝導通信で私に釘をさしてきた。
バロ!それは卑怯じゃない?




