第52話:AI執事への尋問あるいはアニメじゃない
翌朝、案の定、睡眠不足の状態で目覚めるってか
サキが起こしに来た…う~全然寝足りない…
覚醒が足りない頭のまま、自分のスマホを見てみるが
やはり、バロの反応はないみたいだと
かろうじて理解できた。
朝食を頂き、帰る準備をしたのち
改めて九条さんには丁寧にお礼を言った。
「九条さん、助けて頂いて本当にありがとうございました
お礼もちゃんとしたいので、
今度絶対にうちに遊びにきてくださいね!」
「ええ、かならず寄らせていただくわ、
でもお礼なんていいのよ?
久しぶりに素敵なお客様がいらして
私の方が本当に楽しかったのだから」
停留所でバスに乗り、九条さんが見えなくなるまで
手を振り続けた。
さて、家についたらバロを問い詰めなくちゃ。
私の九条さんから離れたことで私の闘争心に
ふつふつと火がともる感覚を覚える。
重たいパラソルもカメラも何のその!
気が付けば、バス、電車を乗り継ぎとうとう自宅の前!
ガラガラ!
…
いつもなら、私が「ただいま!」と言う前に
「お帰りなさいませレイ様、早速訓練を…」と言ってくる
バロが姿を現さない。
「バロ!帰ってきたわよ!出てきなさい!」
私が声を上げると奥の方から音もなく
バロが出てきた。
「お、おやレイ様、お帰りになられたのですね…
お疲れでしょう、いまお茶をご用視しますので」
…いつもなら、帰る早々戦闘訓練をとかなんとか
言うくせに、絶対怪しい…
「バロ!お茶は良いから!
ちょっと話があるんだけど!」
「いえ、レイ様、私は今ガソタムのメンテナンスが
忙しくて…」
「いいから!こっちっ来なさい!」
私の一喝にバロはしぶしぶ後を付いてくる。
居間に移動してバロを正面に
私はじっとバロの事を見つめる。
「バロ!単刀直入に聞くわよ!
あなた、おじいちゃんなんでしょ?
おじいちゃんの精神が中に入っているのよね?」
「は、は、何を言ってるのでしょうか?
私の姿を見てください、私のどこが老人なのですか?」
「それってホログラムでしょ!
前に銀行強盗した安室さんの姿にもなったじゃない!
姿形はどうだっていいの!
中身の事よ!中身!」
「それこそ心外です。
私のデータのどこに老害な部分が御座いましょう。
言わせて頂くなら、私はレイ様が生まれてきてから
作られたのです。つまりレイ様より年下です」
「いつ作られたとかどうでもいいのよ!
九条さんに聞いたわよ!
人間の精神をコンピュータに移す装置の研究を
してたって聞いたわ!」
「レイ様、常識を考えてください。
人間の精神をコンピュータに移すなんて夢物語
そんなのは漫画の世界だけです。
アニメじゃないのですから」
ぐぬぬ、ああ言えばこう言う感じで埒があかない。
頑なに認めないバロと私の攻防はまだまだ続く…




