第51話:ベッドの中での錯綜あるいは湧き上がる怒り
自分の寝室に戻ってから私は
とある考えが頭の中をぐるぐる巡り
ますます目がさえてしまった。
あの日…
地下室を…ガソタムを見つけた日…
あの時は空耳だと思っていたが確かにあれは
おじいちゃんの声だった。
さらに、バロ…
バロに何回も私の事はうららと呼んでと頼んでも
頑なにレイと呼ぶ…
もしかして、バロの中におじいちゃんの精神が…
私は居ても立っても居られず、スマホに向かって
バロを呼び出してみる。
いつもはすぐに「はい何か御用でしょうか?」
と言ってくるおせっかい焼きのはずなのに
今はずっと沈黙を保っている。
まあ、これは電波が届いていないせいかもしれないけど…
でも…もしバロがおじいちゃんだったら…
死んだと思っていたおじいちゃん…
おじいちゃんとの思い出が脳裏に浮かぶ。
が、しかし…
地下室でガソタムを見つけてから今日まで…
バロが現れてから巻き込まれた騒動…
あれも…これも…
全部おじいちゃんのせいってことかぁぁぁぁ‼
なによ! バロは最初、
マスター権限が無いから「うらら」と呼べないだの
強制的な変身システムはおじいちゃんの設計だからだとか
全部、全部、ぜぇぇぇんぶ~!
おじいちゃんの意思ってことじゃない!
あっそうだ!
私の裸とかサキたちの入浴シーンとか
映像に残したデータをおじいちゃんしか見れない
フォルダに格納しますって、
あれもただ単にバロ(おじいちゃん)が見てるってこと?
つまりただの盗撮じゃない!
いや、亡くなったおじいちゃんと再び話が出来る。
それは良いよ、私的には大好きだったおじいちゃんが
復活したような感じだから、それはいい、
でもね、おじいちゃんの精神、自意識をバロに
移したのなら最初から言ってくれればいいのに!
すでに、昔のおじいちゃんとの楽しかった思い出は
私の脳内の奥底に追いやられ、今は
おじいちゃんに対する怒りがふつふつと沸いてくる。
バロ~!スマホで呼び出せないなら
家で直接問い詰めてやる!
首を洗って待ってなさいよ‼
どんどん湧き上がるバロへの怒りによって
ますます目がさえてしまい、そしてまた怒る
この無限ループによって私の寝不足は、
ほぼ確定したのであった。




