第46話:救いの手あるいはおじいちゃんの過去
その女性は九条エマと言うらしい。
私達も自己紹介をしてから九条さんと歩き出した。
九条さんと話しながら歩くこと数分。
彼女の家にたどり着いた。
「どうぞ、上がってください。
それと、今からタクシーを呼んで駅に向かっても
おそらく電車の終電に間に合わないわ。
よかったらこのまま泊まっていくといいわ」
「そんな、そこまでご厄介になるなんて
申し訳ないですよ」
おそらく九条さんに悪意とかは全くなく
善意で言ってくれているのはわかるのだが
初対面の人にそこまで迷惑をかけるのは少し躊躇する。
「遠慮なんていらないわよ、
逆に若い女性三人を夜中にほうりだして
それで何かあったら、その方が心配ですもの」
本当に心配してくれている。
大人が子供を保護するようなそんな優しさを
私達に向けてくれる。
逆に断って九条さんに心配かけることの方が
失礼かもしれない。
「本当に良いのですか?ご迷惑でなければ
お願いしたいのですが」
「迷惑なんてとんでもないわ
一人暮らしで寂しいところに
久しぶりのお客様がいらして私もうれしいの
さあ、中へどうぞ、今お茶をいれるわね」
「お帰りなさいませエマ様、お客様ですか?」
九条さんの家の玄関に入ると突然声を掛けられる。
あれ?九条さん一人暮らしだって言って…
「ああ、私一人暮らしなんですけど、
家の事をやってもらうのにAIロボを作ったのよ
紹介するわね、AIロボのバロンよ」
AIロボ?うちにも一体いるけど、形が全然違う
九条さんちのロボは大きさは、大体私たちの半分ぐらい
上半身だけ人型で、下半身には車輪がついていた。
「バロン、この子たち今日泊っていくから準備して
その前にお茶を淹れて頂戴、そのあと夕食も人数分ね」
九条さんのAIロボは一言
「かしこまりました」と答え去って行った。
おそらくお茶の準備をしに行ったのだろう。
「わ~すごいロボット!、うららの家みたい!
これもホームアシスタントなの?」
ホームアシスタント?ああ、
サキ達に初めてバロを紹介したときにそんなことを
バロが言っていたっけ。
「あのロボットは私が作った物なのよ
若いころそういった仕事をしていたから
っていうか、うららさん?あなたの家にも
同じようなロボットがいるの?」
さて、どうしよう…
バロの存在をばらしたら、そのままガソタムの事も
バレてしまうのではないだろうか…と思案していたら
「そうなんですよ~うららの家はすごくて!
豪華な料理とか作れるし、お風呂も高級エステ
みたいなんですよ~」
ちょっ、サキ
「そうなの…そんな優秀なAIロボを
私以外に作れる人がいるなんて…
うららさんって優秀なのね」
「いやいやいや、違いますから!
作ったのは亡くなったおじいちゃんで
私が作ったわけじゃないですから」
「あら、おじい様が、それはすごい科学者だったのね
よかったらおじい様の名前を教えてくださらない?」
「はい、わたしのおじいちゃんは、古谷源造と言います」
「源造さん…」
私がおじいちゃんの名前を言った瞬間、
九条さんは目を大きく見開き、とても驚いた
表情になって私を見つめていた…




