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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下に残した遺産ーTrue Story~  作者: じょん-ドゥ


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45/59

第45話:バカンスの余韻あるいは帰宅できない絶望

数時間のクルージングを体験し時刻は夕刻

バロの操船で、港の停船所へ戻ってきた。

俗にいうマリーナというらしい。

 

「なんか、途中からおかしなことになったけど

 おおむね楽しかったわね」

 

バロの機転?で午後からクルージングを堪能することに

なったが、まあ、それはそれとして楽しい一日だった。

サキとチカも満足してくれたようだし、今回は

バロに感謝するか。

 

さすがに自宅方向に延びる河川などは無いので

船から降りてから公共交通で帰るしかなく

とりあえず着替えて荷物を整理した。

船が停止し、いざ荷物を持ったら肩にずしっとかかる

重量感

…忘れてた、パラソルとカメラを持って帰るんだった。

 

仕方ないので、何とか頑張って荷物を抱え下船する。

「うらら、荷物持つの手伝うよ」とチカが

言ってくれたので、パラソルだけお願いすることにした。

本当にありがたい…

 

さて、マリーナから近くのバス停留場に移動したのだが、

私たち三人は呆然としてしまった…

時刻表…バスの最終便が10分前に出てしまっていた…

つまり…明日の朝まで次のバスが来ない…

 

「どうする~うらら~、さすがに歩いて帰るのは

 無理だよね~」

 

時計を見ると時刻は18時50分を過ぎていた、

仕方ない、お金はかかるけどタクシーを呼ぶしか…

 

「うらら、ここ圏外で電波はいらないよ?

 タクシーとか呼べないかも…」

 

えっ?電波届かないの?

でも、バロは今もスマホにつながっているし…

そうだ!バロにタクシーを手配してもらえれば、

 

《レイ様、もしよろしければ、ガソタムでお迎えを…》

 

「却下!」

 

バロがまた、ガソタムを起動させる案を言ってきたので

速攻拒絶しておく。

 

「バロ、それよりもここにタクシーを呼んでよ!

 どれぐらいで来る?」

 

《ここの地域は町から離れておりますので今から呼ぶと

 2時間以上待つと思われますが、呼びますか?》

 

2時間…

よく見ると周りに街灯がない、すぐにでもここら一帯は

真っ暗になってしまうだろう。

その暗い中で2時間待つのは危険ではないだろうか…

歩くことも出来ず、タクシーもすぐに来ない。

私たちが困って途方に暮れている、その時

 

「こんばんは、こんな時間に

 女の子たちだけでどうしましたか?」

 

その声は女性の声だった。

不審者などではなく本当に私たちを

心配しているような声色で私達に話しかけてきた。

 

「いえ、その…海水浴で遊びに来たのですけど

 バスの最終便に乗り遅れてしまいまして…

 タクシーを呼ぼうと思ったのですが…」

 

「まあ、それは大変ね、ここら辺は携帯の電波は

 届かないからタクシー呼べないでしょ。

 もしよろしければ、私の家がここの近くなので

 家に来ませんか?家の電話を貸してあげるわ」

 

絶体絶命だと思っていた状況に光明が差した。

私達はこの女性の御厄介になることにして

お礼を言いつつ、女性の後に付いて行った。


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