第38話:魔改造された居間あるいは回らないお寿司
本当は学校が終わったら三人で
水着を買いに行こうと思っていたのだけど…
バロが水着の準備はしてありますからというものだから
予定を変更して三人で私の家に行くことになった。
「お帰りなさいませ。
すでにランチのご準備はできております。
本日はお寿司をご用意しました。
居間へどうぞ」
「それより、私のスマホ!勝手に改造…」
「わ~い!バロのごはんおいしいから楽しみ~」
「バロさんいつもありがとうございます」
バロへ文句の一つも言ってやろうかと思ったのだが
サキとチカに遮られてしまった…
まあ、いいか、後で、私もお腹空いたし。
そう思いつつ居間へ向かったのだが
居間の変わり様を見て思わず
ずっこけてしまった…
「バロ!なんで居間が、お寿司屋さんの
カウンターみたいになってるのよ!
部屋を改造するにも程があるでしょ!」
私の家の居間は、今日の朝まで
畳敷きの部屋で真ん中にちゃぶ台を置いてあったのだが
そのちゃぶ台があった場所にはいつの間に掘ったのか
掘りこみ式で座れるようになった座席と
その目の前にはカウンター
寿司ネタを入れる冷蔵ケースもある。
「はい、レイ様、皆様方に最高のランチを堪能して
頂こうかと思いまして」
「だからってここまでやることないでしょ!
だいたい、お寿司なんて誰が握るのよ!」
「私が握りますがなにか?」
バロはそう言うと、見慣れたバロのアームが
天井から出てきて、慣れた手つきで
用意してあったシャリを取り、ワサビを付け
ネタを乗せて軽く握って見せた。
このAI執事に出来ないことがあるのだろうか?
「わ~い、バロ!私マグロ食べたい!ワサビ抜きで~」
サキ素早い…
いつの間に席に座りバロに注文を通している。
ってか、さび抜きって子供じゃないんだから。
「だめよサキ、お寿司は先に淡白なネタから食べるのよ、
あっ、バロさん私、イカをもらえますか?」
チカまで…
あんた達、適応力ありすぎじゃない?
サキは「好きな物食べればいいじゃん~」なんて
チカに抗議しているけど、
私もサキに同意、食べる順番とか考えたこともないわ。
しかたなく、私も席に座る。するとバロのアームが
何やらまな板のような物を目の前に置いてくる。
あ~、これテレビか何かで見たことある。
ここに握ってもらったお寿司を置いて行くんだよね?
回ってないお寿司屋さん行った事ないからわかんないけど…
「レイ様、これは寿司下駄と言います。
今後の為にも、お寿司屋さんのマナーも
教えましょうか?」
「マナーとか勘弁してよ…
楽しくおいしく食べればいいじゃない…」
バロは、隙あれば私にマナーを教え込もうとしてくる。
バロ曰く、立派な淑女になってもらうためとか
言ってくるけど…
とりあえず、おいしい物は
難しい事考えずに食べたいわ…




