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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下に残した遺産ーTrue Story~  作者: じょん-ドゥ


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35/60

第35話:誠意ある謝罪あるいは突然の婚姻

「そういうわけなんです。

 安室さん本当にごめんなさい。償いになるか分からないけど

 どうかこのお金を使ってもらえませんか?」

 

私は安室さんにすべての事情を説明し頭を下げる。

損害賠償…借金を返せたとしても安室(子)さんが

仕事を失ったことまでは何ともできない。

でも私にできることは誠心誠意謝ることだけ…

私の説明が終わると安室さんが静かに語りだす。

 

「おじょうちゃん…、俺のせがれが仕事を辞めて

 借金が出来たってのは

 別にお嬢ちゃんが悪いわけじゃないよ…

 最終的に責任を取ると決めたのはせがれなんだから

 お嬢ちゃんが気にすることじゃないよ」

 

「でも…」

 

「確かに借金はつらいけど、2人だったら何とでも

 なるから、それもまた親子の絆ってことだよ」

 

安室さんはそう言いながら通帳を私の前に置いた。

そう言われても、やっぱり責任を取らなきゃ

いけないのは私だと思う…気にするなと言われても…

 

「では、このような案はいかがでしょうか?」

 

突然バロが横から口を出してきた。

今回の件はバロのおかげという部分があるので

もしかしたらいい方法があるのか?

 

「犯人さん、改め安室様、

 今ほど主より説明があったように今回あなたが

 銀行強盗を行った件と御子息が職を失い借金を

 背負った件は、やはりレイ様の過失の部分が多々

 御座います」

 

やっぱり、そうだよね…

考えなしに行動してしまって、

周りにどんな影響が出るのか考えずに

行った代償、それは私の責任だと思うし…

 

「しかしながら銀行強盗という手段を安易に行った

 安室様にも過失があると私は考えます。

 同じように御子息が市役所をやめたことも同意です」

 

ちょっ、ちょっとバロ!

そのこっちも悪いけどお前も悪いだろって理屈は何?

みなさいよ!安室さんさらに落ち込んじゃったじゃない!

どうするのよ!

という私の心のツッコミは無視して淡々と

説明し続けるバロ。

 

「ですので、損害賠償金のすべてをこちら側が

 全て負担ではなく、責任を負うべき者たちで

 分割するということはいかがでしょうか?

 もちろん、とりあえずこのお金で一括で

 借金を返済し、分割金をレイ様に支払って

 頂く形で」

 

「…」

 

「…」

 

私も安室さんも沈黙してしまった。

私としては全額を渡したいって気持ちがあるけど

でもこのお金はおじいちゃんの遺産。

私の責任は、私が稼いだお金で払うのが筋だと思う。

これは結構、良い案なのではないだろうか?

 

「過去の事例を分析して今回の過失割合を出しました。

 レイ様が9割、安室様が1割という感じでしょう」

 

冷静にバロが私の責任割合を分析してくれた。

安室さんは「そんな割合じゃ申し訳ない」と言うが、

バロの巧みな?交渉術で安室さんを納得させた。

 

1割なら父と子の二人で割れば250万ずつ

これぐらいなら生活が破綻する事もないと思う。

 

安室さんは何度も「申し訳ない」と頭を下げてくれるが

私もお金を受け取ってくれて安堵している。

うん、これで万事解決ってわけだ。

 

で、話がまとまったところでそろそろ安室さんに

制服から着替えて欲しいと伝えようとしたところ

安室さんの口からとんでもないセリフが出た。

 

「しかし、お嬢ちゃんの若さでここまで深く物事を

 考えられるのは大したものだ。

 高校生?それはすごい!

 もしよろしかったら、うちのせがれの

 嫁になってもらえないかい?」

 

安室さんの爆弾発言を聞いてバロが、

「それは良い考えです。ではお式はいつに

 いたしましょうか?」と言い出してくる。

 

「ちょっとまったぁぁぁ!私はまだ結婚とか

 する気はないんだから!勝手に決めないでぇぇぇ!」

 

今まで沈黙を保っていたサキとチカも

「うらら、おめでとう!」なんて言わないで!

 

私は絶対、安室姓と結婚はしないから!

絶対に「れい」とは呼ばせないから!


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