第31話:逃亡のプロジェクトあるいは宵闇へのドライブ
そうこうしているうちに、外から警官の声が、
「犯人につぐ!車の用意ができた!
こちらは要望通り車を用意した!
人質を解放しなさい!」
警察が逃亡用の車を持ってきたようだ。
あの車に女装した安室さんを乗せて
逃がそうってことなのかな?
「では、レイ様行きますよ。
レイ様は犯人の現金を持ってついてきてください」
「へっ⁉」
またバロがわけのわからないことを言い出してきた。
現金を持ってバロと私で出ていく?
そんなことして何になるの?
バロ本体から発生していたホログラムの光が
一段と強くなる、次の瞬間バロ本体は
安室さんの姿を映し出した。
「バロ?その姿は?安室さんの姿になって…」
「はい、この姿で私とレイ様が車に乗って
逃亡いたします。
残ったサキ様とチカ様は犯人さんの
サポートをお願いいたします」
まだ、いまいちバロのやりたいことが理解できない。
バロと私が車で逃亡しても、警察がサキたちに
事情聴取をするはずだし…
「犯人さんはなるべく警察に顔を見られないように
背を向けて泣いてるふりをしてください。
サキ様はその犯人さんを慰めている感じで。
チカ様は警察の事情聴取に応じてください」
ふむ、警察の目を私たちに向けておいて
安室さんを逃がす作戦か…
でもそんなのうまくいくかな?
「警察の情報網にハッキングをした結果
今回の銀行強盗に関して、犯人さんの素性は
幸いにもまだバレておりません。
それに先ほど私が警察に言ったセリフには
女子高生4人を人質に取っていると言いました」
「でも、私車の運転なんかできないよ?」
私は高校1年生、ついこの間まで中学生だった。
車の運転の仕方なんて想像もつかない。
「ご心配なく、車の運転は私がしますので」
「…」
バロの運転…若干心配なんだけど…
だってバロ免許持ってないでしょ…
でも、他にいい案はないし仕方ないか…
「安室さん!心配はないと思うけど一応…
サキとチカに危害を加えたら私絶対
許しませんからね!」
一応安室さんに釘を刺しておく。
安室さんは「そんなことはする気はないです」と
言っているし、まあ多分大丈夫だろう。
「よし!バロ、じゃあ行きましょ!」
私は現金の詰まったカバンを抱え玄関に向かう
日は落ちて暗くなり、これが友達と一緒の
ドライブっていうのなら楽しそうなのに…
これからするのは、警察の追跡を逃れる逃亡劇
絶対に楽しくないんだろうな…




