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起動させないしガソタム〜おじいちゃんが地下に残した遺産ーTrue Story~  作者: じょん-ドゥ


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3/60

第3話:田舎の朝あるいは放課後の攻防

朝日が居間に差し込み

私はうっすらと目を開けた。

 

「ああ、そうか寝ちゃったんだ私…」

 

ちゃぶ台で寝たせいか体がバキバキになっていた。

まだ眠い目をこすりながら時計を見て私は驚愕した。

 

「えっ⁉、もうこんな時間⁉」

 

まずいまずい!寝過ごした‼

そういえば昨日目覚ましをセットした覚えもない‼

急いで支度をしないと、このままじゃ…

 

「遅刻しちゃう‼」

 

制服に着替えようと手を伸ばしたところでピタリと止めた

昨日お風呂も入らないまま寝ちゃったんだ…

髪はボサボサ、肌はギトギト

体臭ももしかして汗くさいかもしれない。

 

このまま学校に行くのは女子高生としてどうなの?

 

「学校に間に合う最後の電車がでるまであと20分…

 家から駅まで自転車で10分…」

 

間に合うか⁉…

 

お風呂場に駆け込み服を脱ぎ捨てる!

シャワーを出し石鹸で洗っていく…が、

念入りに洗っている時間はない!

頭もシャンプーリンスをつけて、流すだけ

急げ、急げ、

泡も完全に洗い流さないまま脱衣所に、

バスタオルで乱暴に拭いて行く。

髪なんて乾かしている時間はない!あと何分⁉

 

電車がでるまであと、16分、よし!

下着、制服と急いで着ていく、完全に拭かなかったせいか

服が肌に張り付いて着づらい…でも、

無理やり着るしかない!

 

何とか、体勢を整え鞄を持ち玄関へ‼

朝食は食べてる時間はない!

時間は…あと11分、行ける!

玄関を出てカギを掛ける。

 

自転車のかごに鞄を放り込み、乱暴にまたがる。

 

間に合えぇぇぇ~‼

私は駅に向かって全力でペダルを漕ぎだした。

 

 

私の通っている学校の昇降口、

電車にギリギリセーフで間に合い、遅刻は免れたが

髪はボサボサ状態…

 

まあ、遅刻しないですんでよかったわ…

なんて思っている所、後ろから


「あ、うらら! おはよー!」

 

親友のサキから声がかかる。

サキはこの学校に入学したときに友達になった。

とても明るく人懐っこい性格で、まだ1か月ぐらいしか

たっていないのにお互い親友と認識しあう程の

仲になっていた。

 

「サキ、おはよう」

 

私も挨拶を返す。

 

「うらら、何かあったの?髪の毛ボサボサだよ~」

 

うける~と言いつつ手櫛で私の頭をなでてくれた。

 

「うん、ちょっと寝坊しちゃって…」

 

うららが寝坊なんて珍しいねなんて言いながら一緒に

教室に向かって歩いて行く。

 

教室に入るともう一人の親友チカが既に席にいた。

 

「チカ、おはよう」

 

私が声をかけると同時にサキがチカに抱き着いて

挨拶をする。本当に仲がいい。

チカも入学式に友達になった一人で落ち着いた

雰囲気がある知的な女性だ。

サキとチカは中学が同じで私よりも付き合いが

長いらしい。

まあ、サキとチカの仲間に私も入れてもらったって感じかな。

 

私が近づくとチカが「うらら、おはよう」と言ってくれた。

サキもだけど、私の名前のコンプレックスを

理解してくれて、ちゃんと「うらら」と呼んでくれるのが

うれしい。

 

お昼休み

 

いつものように3人でお弁当を食べていた。

今日はお弁当を作ることが出来なかったから

購買で買ったパンを食べている。

サキは「パンなの珍しいね~」なんて朝と同じことを言ってくる

そんな様子を見たチカが、おかずを少し分けてくれて

それに続いてサキも分けてくれる。

本当に親友というのはありがたい。

 

なんて楽しく食事をしていたらサキがしゃべりだす。

 

「ねえねえ、うらら、今日放課後用事ある?」

 

特に急ぎの用事がないから「無いよ、なんで?」と

言い出すとサキが続けて言ってきた言葉に

私は固まってしまった。

 

「うらら、今一軒家で一人暮らししてるんだよね?

 一人暮らし最高じゃん。

 3人でうららの家で遊ぼうよ」

 

チカもいいね、とうなずいている。

 

まずい、まだ心の準備が…

いや、いつかは2人を家に招待するって考えていたけど

あの、散らかった居間を見られたら…

 

もちろん茶箪笥で隠してあるからバレないかも

しれないけど、材木の切れ端、散乱している釘…

言っても素人大工仕事だ、「これ変じゃない?」とか

言われてしまったら…

私は、顔が引きつりつつも精一杯の笑顔を作り、

 

「ごめん、今はちょっと無理かな…」

 

と答えた。

続けて…

 

「まだ引越しが終わって無くて…

 古い家だからホコリもすごいし…」

 

しどろもどろで言い訳を言っていく

 

「えー、いいじゃん、いいじゃん。片付け手伝うよ!」


「だめ! あ、いや、本当にもう少し落ち着いたら。

 ちゃんと招待するから。今は、まだ心の整理が…」

 

必死に言い訳をして何とかその場を切り抜けた。

サキとチカは「えー、絶対だよ」なんて

引き下がってくれたけど。

 

サキとチカ、本当にごめんと心の中で謝る。

気が付けば背中も冷汗がべっとりだ。

 

今の時点で友達を家に招くなんて絶対に無理だ。

もし、地下室の存在を知られたら…

何かの拍子でロボットの存在を知られたら…

 

私の高校生ライフはその瞬間に瓦解する。

私は家の地下に格納されているロボットを思い浮かべた。

 

おじいちゃん。

あなたが遺した遺産のせいで

私は、友達を家に招待する自由が無くなっちゃったよ。


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